【渋川難波】麻雀番組で強くなれ【第4回】

その4 違和感のある打牌に注目しろ

これはその3と少し似ていますが、ニュアンスが違うので別物として扱います。苦情は無しでお願いします。
さて話を戻しまして、配信対局を見ていて「え??なんでこれ切ったの??」となることがよくあると思います。
普通に「間違えちゃった……」という時もありますが、どう考えてもこれは単純な間違いではなく深い意図があるはずだ!!という打牌も数多く存在します。
その時に、この人は何故その選択をしたのか?と考えることで麻雀への理解力が深まることは間違いありません。
その人と同じ牌を切れとは言いませんが、理由さえわかれば自分の引き出しに入れることができるのです。
さて、それでは早速例題を出してみます。
この時、多井選手は何を考え何を切ったでしょうか?

※朝倉選手はカンをチーして打、そして対子落とししたところ。

 

 

解答

 


解説
多分ですけど、この状況でを切る発想になる人はいないと思います。
それほど衝撃の一打と言えます。
しかしこれは切り間違いではありません。はっきりとした意志の籠もった一打です。
さて、それでは何故切りになったのか解説していきましょう。
まず、この時の多井選手の主な思考をまとめます。
①手は悪くないから、和了りたい
②下家の朝倉選手の手はかなり進んでる
③トップ目なので、他家のリーチに備えて安牌は欲しい
大まかには、この三つです。
それを踏まえてこの手を見ましょう。
最もいらないのはもちろんですが、を切ると守備力がグーンと下がってしまいます。
これは③に逆らうことになるので、一旦候補から外します。
同じように、切りはよくみるともかなりの安全度を誇っているので、これもまた切れません。(親に現物、そしてが3枚ずつみえているので)
となると最有力候補はか?となりますが、ここで多井選手は考えました。

この、朝倉選手にめちゃくちゃ危ねえな、と。


の対子落としが入っているので、ソーズ受けはあまりなさそう。そしてピンズはしか切っていないので、カンシャボ、全ての可能性が残っています。ロンもしくはチーされる可能性が高い、そう判断しました。よってこのも候補から外します。
勿論切りはタンヤオが無くなるので、かなり和了辛くなるので除外します。
するともう残るのは、まさかのだけとなります。
ここで、は朝倉選手に安全なの?という至極当然の疑問が出てくるでしょう。その答えは、「安全とは言い切れないがに比べるとはるかに安全、となります」
第一に、5巡目のを鳴いていません。これによりカンやタンヤオ片和了のが出る可能性がグーンと減っています。(急所なので、おそらく鳴いているため)
はあり得るかもしれませんが、麻雀は絶対に安全な牌だけを切って和了に行くことは難しいゲームです。
多井選手はここで、「を切るリスクは負えないが、を切るリスクぐらいなら負える」という判断をし、一見すると意味のわからない切りとなったのです。

多井選手はこの後が出ると、それをポン!そしてカンをいれ、図のような見事なテンパイとなりました。

攻め一辺倒ではなく、守備一辺倒でもない。この絶妙なバランス感覚を、皆さんも身につけれると麻雀がまた一段階強くなると思います!

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