熱論!Mリーグ【FS第18節】
麻雀格闘俱楽部ファン
全員が待ち望んだ
スピードスター佐々木寿人の
『会心の一撃』
文・ゆうせー【FS第18節担当ライター】2019年3月24日
第18戦目
こんな事態を誰が予想しただろうか。
KONAMI麻雀格闘俱楽部、ファイナルシリーズ17戦を終えて、未だトップ無し。
いかに直接対決が続くとはいえ、いかにドリブンズの包囲網が敷かれるとはいえ、あと7戦で700ポイントもの差を詰めるのは困難を極める。
だが、やるしかない。KONAMIサポーターは信じるしかない。
18戦目はこの男に託された。
エース、佐々木寿人。
東1局
寿人の判断は速い。
8巡目、
ツモってきたを、
瞬く間に切っていた。
言うまでもないことかもしれないが、寿人は無造作に選んでいるわけではない。寿人が注目しているのは、
この部分だ。は既に2枚切れ。見づらくて申し訳ないが、対面が5巡目にも1枚切っている。シャンポン受けは残り1枚とものすごく薄い。
そして、1巡でもを手に置いてしまったときにはもちろん、Mリーガーのような超一線級が相手だと、
を「少し悩んで」ツモ切りしたときにもの周りの警戒レベルが引き上げられてしまう。
それでは、4巡目にスジのを切って場によさげなに照準を合わせたのが台無しだ。
寿人の判断が速いのは、
「を引いたらツモ切る」
ということが事前に決断出来ているからに違いない。
あらかじめ引く牌を想定して、自分の中できちんと準備出来ているからこそ、スピーディーかつキズの無い寿人の打牌が生まれるのだろう。
次巡、
の方を引き入れて音速でリーチ!
すると、
寿人のリーチ宣言牌、を亜樹が鳴いて積極的に参加する。レギュラーシーズンでは、このような場面で慎重な打ち回しを見せていた印象の亜樹。だが、ドリブンズを追いかける立場になったファイナルシリーズの今は、ギアをチェンジしてトップをもぎ取るために踏み込んできた。
勝負の行方は…
亜樹のテンパイ打牌を寿人がとらえた。
リーチ赤1、寿人の2600点のアガリとなった。
少し、寿人の表情が緩んだように見えた。
東3局
なにはともあれ、寿人の判断は速い。
親番寿人の9巡目、をツモってきて…
ノータイムでツモ切り。
実は寿人、このように
中盤で手がそこまでよくないときは字牌を安全牌で持つことが多い。
ガンガン攻めていく攻撃力が持ち味の寿人だが、それは切り込める手が出来てからの話だ。
無駄な放銃はしないように、また、押し返すときに勝負する牌をいたずらに増やさないように、「微妙な手では字牌を持つ」というのが「ヒサトシステム」として決められているのではないだろうか。