機械相手のゲームと
対人ゲームは必勝法が違う
ゲームやギャンブルの分類法の一つに、機械相手か人相手かがあります。
私はかつてパチンコ・ライターでしたが、パチンコはもちろん機械相手です。
必勝法は簡単で、期待値の高い台を期待値が高くなるような方法で、打ち続けるだけです。
打ち続ければと言うのは、例えば数か月単位で集計すれば、という意味。
期待値というのは、損得の平均のことで、確率や統計の専門用語です。
ここ20年くらいで、この重要な用語が、ゲームファンやギャンブルファンに定着したことで、必勝法や攻略法が目覚ましい進歩を、遂げました。
対人ゲームの麻雀よりも、パチンコ・パチスロの専門誌が先行したのは、当然だったかもしれません。
期待値打法は、かつて石橋達也プロが提唱した、パチンコの「ボーダーライン理論」が先駆けになりました。
この基本の上に当時積極的に開発されていたのが、本物の攻略法です。
メーカーやホールが予期していなかったやり方で、合法的に勝つ方法です。
私が実戦で経験したのは、平均日当が七万円くらいが最高でしたが、中には日当数十万円というのもありました。
クマちゃん先生が開発した、永久連チャン打法などがそれ。
ただし、ホールで実戦すると、出入り禁止になるのが欠点。
機械相手の攻略法のハズなのに、急に対人ゲームになってしまうんです。
一方の対人ゲームは、必勝法が簡単ではありません。
ジャンケンの勝ち方に、配当を組み込んだ「グリコ・パイナップル・チョコレート」遊びがそうです。
「グーで勝ったら、グ・リ・コと階段を3段上がれる。パイナップルなら6段」
もし機械相手で、機械が3分の1の確率でグー・チョキ・パーを出して来るなら、こちらは配当が高い手を出し続ければ勝てます。
でもそんな機械も人間もいませんよね。
「配当は高くても、人間相手にチョキばかり出していたら必ず負ける。必敗法があるのなら必勝方もあるのでは?」
そう思って、大阪商業大学の谷岡一郎教授(学長)に20数年前に相談しました。
「まず、必敗法があるからと言って、必勝法があるということにはなりません」
なるほど。本当の必勝法なら再現性があるので、相手も使えますからね。
「必勝法はありませんが、絶対に負けない最適混合戦略ならありますよ。計算して後日送りましょう」
一定の比率でランダムに手を選ぶことによって、相手がどんなに勝つために頭を使っても、負けなくなるんです。
「このゲーム機を作って、ゲーセンに置いたら儲かりそう」
私はパチンコ・ライターの前にはゲーム機の攻略をやってたこともあるので、そんなことを思いました。
「ギャンブルで勝つのには、ハウスかゴト師が一番」
と言うのが、当時の私のモットーだったからです。
目だって勝つ方法と
目立たずに勝つ方法
さて麻雀はもちろん対人ゲームですよね。
あ、その前に、最近話題になることが多い「人間対コンピュータ将棋」ですが、コンピュータが素晴らしすぎて、とてもここで述べたような、機械相手のゲームとは言えません。
対人ゲームの基本は、
●相手が勝つ気でいること。
●その能力があること。
●相手の出方によって、戦略戦術を変更することだと思います。
セット麻雀での勝ち組が、フリーで打つことが多いので、上記の基本は満たしてる人がほとんどです。
みなさん強いので、そう簡単には勝てません。
それだけに勝った時の充実感も大きくなります。
セットでの勝ち組の中には「アイツは強い」と認識されて、イメージ勝ちしてる人も多いと思います。
成績がいいのはもちろんですが、勝ち方のイメージですね。
「ヤツはメンチンでも国士でもリーチ来るから怖い」
と愚形リーチでも相手が降りてくれたり。
自分のトップを脅かしに来た人から逃げるのでは無く、ラスに叩き落とすとか。
「アタマは譲って、ヒモ(2着)でガマン。彼はヒモ確なら協力する」
などと思わせる戦略勝ちです。
私はそういうことはできませんが、小グループのリーダーで、こういうタイプをわりと見ました。
麻雀仲間でお金の貸し借りがあれば、ゲームに影響する可能性もあります。
麻雀以外の人間関係が、麻雀に反映することもあるんです。
セットやごく少数の高レートには、目だって勝つ方法も有効ですが、客数の多いフリーの場合は、目立たずに勝ってる人が多い印象です。
即リーはするけど、ブラフ目的は少なくて、あくまでも加点失点のバランスを考慮した期待値打法です。
美しい、あるいは強烈なテンパイよりも、地道なアガリ優先。