七対子か、七対子以外か
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2023年5月11日
第1試合
東家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
南家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:勝又健志(EX風林火山)
北家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
まず特筆すべきなのは、
この日、実況と解説が物凄く良かったことだ。
仲林「通していくぅ!!!」
鈴木「積極的な選択でしたねー」
仲林は日吉とともに場を盛り上げ、優が場の情報をまとめたり補ったりするという、バランスの取れた場面が非常に多かった。何より見ていて楽しかった。
また、前シーズンにはソロで解説をしていたことも記憶に新しいが、それくらい元々二人は解説力が高い。技術面でのハイレベルな説明も度々挟んでくれたので、あらゆる層において満足度が高い実況解説だったのではないだろうか。
日吉も「○○さん」と前置きしてから話を振るなど、解説2人と席が離れていることを忘れてしまうくらいに、円滑にトークを進めていた。
それぞれが素晴らしかったこともあるし、加えて私は「3人体制だった」こともこの日は大きかったと感じる。
「2人が盛り上がっていても、あと1人が場を見た補足を入れられる」など、3人で上手く役割分担がなされている印象を受けた。
私はこの日のように、3人体制の機会が多くなれば嬉しく思う。枚数カウントなどの負担も3人だと減るだろうし、メリットは大きいのではないだろうか。人員の確保や個々の相性などもあるかもしれないが、露出が増えるプロの数が多くなることも、業界の活性化につながるように感じる。
明けて金曜日の岡田、渋川のダブル解説も非常に楽しみだ。
そんな仲林が、
「止めていくぅ!ナイスゥゥ!!!」
と叫んだのは、
東2局、萩原の止めだった。右端にポツンと浮いているは、
勝又が七対子ドラドラのリーチで待ち構えていた牌だった。
まず、ここまで仕上げた勝又の手順が素晴らしいので見ていこう。
バラバラの配牌をもらった勝又。いたずらに字牌を抱えずに、オタ風の、2枚切れのと切っていく。
次に、
ドラを引いて打。ドラドラのアガリも見ての素直な進行だ。
また、3トイツになって七対子が視野に入ってきたことからも、河は静かな方が良い。メンツ手の可能性も考えながら相手に対応してもらった方が、待ちごろの単騎でアガりやすくなる面もある。
そして、
を引いて4トイツに。
ここで、勝又は場を見る。
最序盤に切られている牌の周りは、比較的持たれていないことが多い。
赤の部分のピンズは2人が切っている。
また、下家の滝沢はを早くに並べているので、青で囲ったは持っておきたい。
さらに、緑で示したマンズの上目(数字の大きい方)も早々に2人が打ち出しているので魅力的だ。
よって勝又は、
打としたのだろう。
そして、
狙いの一つであるを重ね、1枚切れのを切る。
何より素晴らしいのは、
一連においての勝又のモーションに淀みがないことだ。
まるでコンピューターのように、サクッサクッと選択をしていく。
続けて勝又は、
を引いて打。