麻雀番組を10倍楽しく見る方法第3回【振り込んだとき悔しがるプロランキング】

麻雀番組を10倍楽しく見る方法第3回【振り込んだとき悔しがる?】

文・黒木真生

Q プロでもチョンボするの?

A します。

●Mリーグでのチョンボ
最近のプロ雀士のチョンボで最も有名なのは、MリーグKADOKAWAサクラナイツ沢崎誠プロのノーテンリーチでしょう。ノーテンリーチは流局しなければチョンボになりませんが、この時は流局してチョンボとなりました。

●意外と多いプロのチョンボ
プロ雀士は、実はあまり自分の手牌を見ていません。相手の顔や捨て牌に気を配るため、最初に配牌を見たら、あとは自分の手牌をさほど確認しないため、思い込みでノーテンリーチを掛けたり、誤ロンすることもあります。

●チョンボの罰則
一般の方の麻雀でチョンボがあった場合、だいたいは満貫払いが相場なのですが、プロの対局では満貫払いは採用されていません。試合終了後、トータルポイントからマイナスすることがほとんどです。理由は以下の通りです。

○他の卓との公平性が保てない
プロの対局の結果は、その卓だけじゃなく、同じリーグや予選会の別の卓にも影響が出ることがあります。従って、チョンボが発生した場合も対象の選手からマイナスするだけで、同卓者にプラスしないのです。

満貫だけでは安すぎる
極端な話、倍満や役満の放銃を避けるためにわざとチョンボするという可能性もあるため、満貫払いだけでは足りないという考えがあります。

●最強戦はその場でマイナス1万2千点
チョンボによって、本来アガれていた人の得点が潰されてしまうケースもあります。従って、同卓者にメリットが全くないのも不公平だという考え方もあります特に麻雀最強戦はトップの価値が飛びぬけて高い変則的な順位点になっているため、その場で1万2千点を卓外に出すという罰則になっています。これによって同卓者のトップ確率は上昇しますが、ポイントそのものは増えることはありません。

Q プロ雀士に引退はあるの?

A プロ団体を辞めた時が引退となります。

●高齢になっても続けられるプロ
プロ団体に所属していればプロ雀士という定義なので、試合に出なくなってもプロという肩書がなくなるわけではありません。

●リーグ戦陥落で出場辞退
ずっと最高峰のリーグで活躍していたプロ雀士が降級したことをきっかけにリーグ戦出場を辞めることがあります。引退ではありませんが、プロ雀士にとってメインの公式戦であるリーグ戦に出ないというのは、かなり大きな決断だと言えます。

●夢半ばでの引退
麻雀プロとして大成することを夢見て業界に入ってきたものの、様々な理由で若くして引退する選手が多くいます。自分の才能に限界を感じたり、家庭の事情だったりと事情は人それぞれです。最近は対局の映像配信が増え、会社勤めの選手が勤務先にプロ活動を知られてしまうというケースや、平日に公式戦が入り両立できなくなって辞めるということも多いようです。

Q プロの対局中に会話はしてもいいの?

A 現在は私語厳禁です。

●必要最低限以外しゃべっちゃダメ
麻雀に必要な「ロン、ツモ、ポン、チー、カン、リーチ」以外には原則として口にしてはなりません。もちろん「両替してください」とか「起家マークを裏返してください」など、競技に必要な発言や指摘は良いのですが、それ以外はNGです。

●競技に影響を与える可能性
過去には3巡目に早いリーチが入り「早いなぁ」と発言して注意されたベテラン選手がいました。3巡目なら普通「早いなあ」と思うものですが、この発言によって、発言主の手牌はあまり早くないということが分かってしまいます。もし発言主の手がイーシャンテンやテンパイなら、これはいわゆる三味線行為(ウソや紛らわしい言動)で重いペナルティが課せられます。

●昔は喋るのが普通だった
元々、麻雀はサラリーマンの娯楽でしたから、喋りながら打つのが当たり前でした。もちろん、かつての競技麻雀界も喋りながら打つのが普通で、ドラを切ったらポンされて「オイオイ、参ったなぁ」という調子でした。それでもプロ雀士ですから、競技性に大きく影響するようなことは発言せず、三味線にならないように気をつけていたとは思います。しかし、現在はプロ雀士も増え、程度問題が程度問題で許されない時代になってきたため、対局中の私語自体を全面禁止するようになったのです。

●対局の合間の会話も禁止
日本プロ麻雀連盟だけは対局の合間の会話も禁じています。「あの時は何待ちか?」という会話によって得られる情報が後の競技に大きく影響するという考え方なのでしょう。

Q アガった人が笑ってないのはなんで?

A 慣習と文化によるものです。

●ポーカーフェイスに引きずられて
娯楽として麻雀をされている方は、アガった時や振り込んだ時に笑うこともあると思います。かつての競技麻雀も同様で、素直に感情を出す選手もいました。が、私語が厳禁になった頃から、アガリや放銃の際に笑顔を見せることもほとんどなくなったようです。アガリが出た後ですから、別に笑おうが何しようが競技に影響は出ないと思われますが、人間、ポーカーフェイスから急に笑うのが難しいのではないでしょうか。

●競技麻雀の雰囲気に引きずられて
もちろん、競技性を重視しての私語厳禁からのポーカーフェイスからの無表情なのでしょうが、もうひとつ「競技麻雀」というキーワードが選手を無表情にさせていると思われます。プロ選手たちの心境として「競技麻雀かくあるべき。競技麻雀は娯楽のそれとは違い崇高なもの」という意識が少なからずあるのではないでしょうか。

Q 振り込んだ人が悔しがってないときと悔しがってる人がいるのはなんで?

A その人の性格によります。

●心理戦であること
公式戦の最中、アガって嬉しそうにする人はほとんどいませんが、振り込んだ際に悔しそうにする人はたまにいます。アガった時に嬉しそうにするのは不謹慎という意識だったり、放銃した相手への配慮がありますが、自分が振り込んだ瞬間だけは悔しそうにしても誰もとがめないので思わず正直に心の内をさらけ出してしまうのではないでしょうか。麻雀は心理戦であり、敵に弱味を見せたくないと考える人はポーカーフェイスを保つのでしょうが「無表情にしていたって痛いのはバレる」と考える人は正直に「キツいなー」という顔をします。
ちなみに以下のランキングは筆者の独断と偏見によるものですが、やはり人気のある選手が多いですね。

●痛い放銃の際に感情を見せるプロ雀士ランキング
1位 金子正輝

2位 萩原聖人

3位 森山茂和

4位 多井隆晴

5位 豊後葵
6位 黒沢咲
7位 魚谷侑未
8位 近藤誠一
9位 二階堂瑠美
10位 白鳥翔

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