リーチの恐怖を乗り越えろ
緑仙、
志願のリベンジマッチ
第13試合、チームヘラクレスの先発を任されたのは、緑仙だった。
絶好調のチームの勢いに乗るべく出陣した緑仙だったがしかし、リーチはことごとく空振り、放銃も重なってしまい、ハコ下のラスに沈んでしまう。
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それでも、インタビュー時に監督の松本吉弘から次戦も行けるかを聞かれると。
「行きます行きます。行かせてください」
と力強く答えた。
チームヘラクレスに所属する選手の中で、まだトップを取れていないのが、緑仙。
絶好調の空星きらめを筆頭に、選手全員がプラスを獲得する中、緑仙だけがマイナス。
気持ち的にも、チームに貢献したいという想いは強いはず。
自分の負けは、自分で取り返す。
緑仙のリベンジマッチが始まろうとしていた。
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第14試合
東家 渋谷ハル (チームアキレス)
南家 天宮こころ (チームゼウス)
西家 天開司 (チームグラディウス)
北家 緑仙 (チームヘラクレス)
まず序盤先手をとったのは、渋谷だった。
東1局のリーチこそ流局となってしまうが、続く1本場。
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ドラ赤の5800を、テンパイした天宮のリーチ宣言牌で討ち取る。
これで勢いを作ると。
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2本場では難しい手牌を難なく捌いていく。
この局面もさほど時間を使わず打とできるのは雀力がある証拠。
いわゆる二度受けになっているマンズを払いながら、瞬間を引いたら雀頭に使える構想だ。
麻雀はじめたてには、とてもではないが思えない。
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天宮からの先制リーチを受けるも、これを押し切って2600オール。
序盤で渋谷がリードを稼ぐことに成功した。
東1局3本場
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もうひとり。負けられない男がいた。
天開司。グラディウスに所属する彼もまた、ここまで圧倒的不運に泣かされてきた打ち手のひとり。
今日の初戦、チームメイトの朝陽にいながトップを持ち帰ってくれた。
ここは是非とも、トップで続きたい。
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ぱっとしなかった配牌だったが、4巡で超魅力的な手牌へと化けた。
カンを引き入れての、
ドラドラ
リーチ。
打点も待ちも十分。当然のリーチ。
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そしてここに、緑仙が追い付く。赤を1枚従えてのリャンメン待ちとなれば、もちろん追っかけリーチ。
5巡目にして2人リーチとなったこの局の結末は。
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緑仙のツモアガリ。
第13試合では苦しんだ緑仙が、裏ドラを1枚乗せての2000、4000で、トップ目の渋谷に近づく。
東2局
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緑仙がアガれば、天開も魅せる。
親の天宮の先制リーチを受けた後に、チートイツドラドラのテンパイ。
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はチートイツの待ちとして優秀だが、その時出ていく6pは天宮に通っていない。
を切って、比較的安全に
待ちにする手もある。
天開の指が、と
の間を行き来する。
難しい、選択。
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「リーチだろ……!」