【 #神域リーグ2023 第5節第14試合観戦記】リーチの恐怖を乗り越えろ 緑仙 志願のリベンジマッチ【文 #後藤哲冶 】

それでも、最後は腹をくくった。
待ちとして優秀な【發】単騎でのリーチ。

実際に2枚残っていたこの【發】を、天宮から捉える。
リーチチートイツドラドラ赤。12000は大きな大きな加点。

「足りない。全く足りない」

アガっても、満足はない。
これまでに受けてきた理不尽の数々を思えば、この程度で天開の渇きは満たされない。

次局の東3局で2000オールをツモって、2着目に。
トップ争いが激化する。

東3局1本場

先制テンパイは緑仙。
【6ピン】引きでチャンタこそ崩れたものの、【1ピン】で三色のテンパイ。

これを緑仙は、ダマに構えた。

公式解説をしていた松本監督は、

「見てて、次リーチ打つから」
とコメント。

しかし、3巡経ってもリーチはかからず。

「なにやってんだぁ!」と、松本監督から愛の鞭が飛ぶ。

しかしどうか責めないで欲しい。

実際、緑仙の視点配信では、何度も何度も、その手はリーチに伸びて。
苦悩を抱えながら、緑仙はダマを選んでいた。

【9ピン】が引けさえすれば、この手はもっと高くなる。リーチをしたら【9ピン】を持ってきても入れ替えられないが、ダマなら入れ替えることができる。
そして【1ピン】は出ても現状アガることができる。
そうわかっていたら、ダマにしたくなる気持ちもわかるというもの。

緑仙は必至に考え、そして最善を選ぼうとしているのだ。

この局は、天宮から【1ピン】が出て、緑仙の2600のアガリで決着。
この後更に緑仙は東4局で天宮から5800をアガリ、一時的にではあるがトップ目に立つことに成功。

「もー! どーしてよー!」

一方厳しい展開が続くのは天宮。
ここまで既に4度の放銃で、点棒はマイナス1万点を超えてしまった。

東4局1本場、ここでは、天開のバランス感覚が光る。

ここまでは【4ピン】を持っていたが、ここで安全牌候補の【白】と入れ替える。
【4ピン】があれば【5ピン】を引いた時に更に広い形に受けられるが、親の緑仙のドラ切りを見て、もう持てないと判断。
これも素晴らしい判断だと思う。
目一杯に構えることは重要だが、こうした危険信号をキャッチして、危険牌を先に切る感覚もまた同時に重要なのだ。

そして次巡、【6マン】を引き入れて先制リーチ。
【4ピン】【白】が入れ替わっているだけで結果は同じだが、この些細な1巡の後先に、天開の気迫が垣間見えるのは、私だけだろうか。

これも天宮から討ち取って、天開がトップ目へ。
第14試合は乱打戦の様相を呈している。

南1局

天宮のリーチに対して丁寧に回っていた緑仙が、天開から出てきた【5マン】をチーしてテンパイ。
ドラが【白】でまだ1枚も出てきていないことから、当然怖さもあると思うが、この踏み込みは素晴らしい。

結局、【2ピン】をツモって天宮のリーチを蹴ることに成功。
同時に渋谷の親番も潰して、価値あるかわし手だ。

緑仙の鳴きが光る局が、もう1局。
ラス目の天宮が2度意地のアガリを見せた後、南2局2本場だった。

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