白鳥翔が持ち帰った、
魂の20ポイント
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2025年3月10日

第2試合
東家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
南家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
西家:萩原聖人(TEAM雷電)
北家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
オーラス、白鳥翔は追い詰められていた。


ここまで苦しい展開が続いていたが、トップの萩原までは16,500点差と満貫ツモ一回で並ぶところまで追いついていた。
そして自身の手は、上手くいけば跳満まで見える手。
しかし

たろうが待ちのリーチ

優が待ちのリーチ

そして萩原が待ちのチンイツテンパイと、白鳥以外の3者が既にテンパイを入れていた。
白鳥は現状3着。
当然トップが狙えるなら狙いたいが、ラスの優とは10,300点差で、5,200点以上の放銃はラスになってしまう。
優への放銃だけを回避すればいい訳ではなく、リーチをかけているたろうはトップまで跳満ツモ条件で、3着の優と点差が離れていないことから着順アップが見込めない手ならダマにしてくる可能性が高い。
そのためたろうの手は高打点の可能性があり、決して無視はできない。
そしてトップ目の萩原だが、をポン・
チーと2副露しており、字牌が全て場に切れているので、残る手役はチンイツしかない。
白鳥の目からは赤が見えていないので、萩原も跳満の可能性が充分にある。
勝負手は入っているが、周りにテンパイが先に入り、一人だけノーテン。そして放銃も許されない。
整理すればするほど頭の痛くなるような状況だが、似たような場面がこの試合で何度もあった。
東3局にはドラ5枚でリャンメン・3面張のイーシャンテンが一向にテンパイできずオリに回され

東4局の親番では、を暗槓して非常に手広いイーシャンテンになるも、有効牌を脇に何枚も切られ、テンパイしないまま横移動で終了。

手は入り、有効牌も山に残っているのに、先制され押し引きが難しい状態に持ち込まれてしまう。
オーラス突入時、白鳥は微差がならラス目だった。

3着目の優まで2,300点差、2着目のたろうまで7,000点差と1回のアガリで逆転可能な点差となっている。
トップの萩原は跳満ツモで捲るが、2・3着の2人が接戦でアガリ競争になることを考えると、大きく振りかぶっている暇は無いかもしれない。
配牌は

良いとは言えないが、第1ツモの重なりでアガリが見えた。
4巡目には嬉しいドラのが重なり

次巡、カンをチーから次々に急所を引き入れ、
バックのテンパイが入る。

この仕掛けに、優が速度を合わせる。
をリャンメンでチーしてタンヤオに向かう。

そして萩原から出たをポンして
・
のシャンポン待ちでテンパイ。

トータル2位で、レギュラーシーズン突破がほぼ決まっているパイレーツとしては、1位のドリブンズとのポイント差を少しでも減らしておきたい。
そのためテーマは2着浮上で、ツモまたはたろうからの出アガリで条件を満たす。
数巡後、白鳥が引いたのは優の当たり牌である。
白鳥は長考に入る。

優はを切っているので、リャンメンで当たるとすると
と6mは
の1パターンずつしかない。
この場合、愚形(シャンポン・カンチャン・ぺんちゃん・単騎)で当たる可能性を比較するのがセオリーだ。
優の最終手出しを見てみると、をポンして
を切っている。