“今年も頑張れそうです!”
風林火山、永井孝典が
勢い止まらず11勝目!
文・中野巧【火曜担当ライター】2026年1月6日
いつ観ても永井が勝っている。彼と私の上京したタイミングが近く、勝手に親近感を抱いていたが、もう後ろ姿すら見えなくなってしまった。本日が20戦目の登板となった永井は本日の勝利でトップ率が驚異の55%に。まだシーズン中ではあるが、永井が稼いだ536.3ポイントはすでに歴代MVPを超えた。
Mリーグは全試合アーカイブが残るため、華やかな結果から、残酷な場面まですべて記録される。また世界で最も人に観られる麻雀対局であることは選手たちにより多くのプレッシャーを与えるのだ。あなたがこの場で麻雀を打つことを想像してほしい。多くは緊張して手が震えたり、頭が真っ白になったり、普段とは違う打牌をするかもしれない。そんな日常とはかけ離れた環境の中、1年目でここまでの結果を出している永井は、結果以上に、驚異的な存在である。
第1試合
東家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
南家:永井孝典(EX風林火山)
西家:醍醐大(セガサミーフェニックス)
北家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
全20局、約2時間30分の長期戦となった本日の対局。1位の永井は様々な選択がある中でアガリにつながる方を選び続けた。この光景を見慣れてしまっていることが異常なのだが、結果、東1局には5万点あった差をオーラスでひっくり返した。
2位の日向は新年初のABEMASの試合でいきなり8000オールをアガリ、続けて4000オールと東1局で勝負を決めたかと思われたが、猛将永井に逆転され、悔しい2着となった。
3着の萩原は5万点差からでもユニバースに勝利をという打ち筋でテンパイを外し、受け入れを狭くしてでも高打点を目指していたが、あと一歩及ばず。
4着の醍醐は20局中1度もアガリがなく、他3名が11回アガる中、放銃は2回とかなりの我慢強さをみせた。しかし、今日は牌が応えてくれず、相手に対して押し返せる手がほとんど来なかった。
ここからは興味を引く局をいくつかピックアップしお伝えする。
■オーラス 永井の妙手 絶対にアガリたい手は広く打つ
トップの日向とは4600点差で迎えたオーラス。永井は僥倖ともいえる赤ドラを2枚持ちのイーシャンテン。テンパイし、リーチをかければ誰からアガってもトップとなる。
しかし、永井は打
とした。イーシャンテンではなくなるもまだ4巡目。少しでも良い待ちになるよう手を広げる選択を取った。
結果はすぐに
を引き、テンパイを逃すも、フリテン
–
を残し赤ドラが出ない形を維持する。
永井は7巡目に上家の日向が切った
で長考する。チーしてフリテン
–
テンパイを取れば、
ツモで逆転トップ。順位点の大きいMリーグルールでは1位と2位では4万点分の価値がある。
その後、残していた
に
がくっつく。
直後、切られた
をチーして
–
待ちのテンパイ。
なら高め三色がつき出アガリでも逆転となる。ただし、あの
をチーしていればこの
でツモとなっていた。その手順も考えただけに少し悔しさはある。一度アガリを逃したから結果はもつれるか。日向もすでにテンパイを入れている。
しかし永井にはそういう考えは関係なかった。テンパイ直後に
をツモ。逆転でトップとなった。絶対にアガリたい手ほど、序盤は手を狭めずに
を残し、イーシャンテンを崩す、まさに永井の妙手が炸裂した1局となった。
東1局2本場、萩原はトップを諦めない、打点を追う一打
東1局もトップとは約5万点の差がついている状況で、2着以下は混戦模様。萩原はドラドラの手から
をポンし、ツモ
で手が止まる。アガリだけを考えれば打
なのだが。
萩原が選んだのは打
。
を重ねてポンできれば
・
・ホンイツ・ドラ2のハネマンを見た。5万点差あるとはいえまだ東1局である。結果は
をポンして3900のアガリとなったが、トップを取ることを第一に考えた打牌であった。実際にこの場面を観ていて、「最大でハネマンになる手だから
は残してほしいな」と視聴者目線は思っていただろう。様々な人が観るMリーグ、ひいては麻雀対局においては、自己の利益を追求する打ち方だけでなく「この選択で視聴者の人はどう思うか」というものが大事であるということを再認識した場面であった。
最後は今日萩原が入場シーンで見せた見慣れないポーズについてだ。これはテキサス州ヒューストンの頭文字「H」を表すポーズで、フットボールチームのテキサンズファンから広まり、今では同地域スポーツチームのアストロズやバスケットボールのロケッツの選手たちが使用するお決まりのポーズとなっている。
ではなぜ、今日萩原はこのポーズをしたのだろうか。その理由は、この試合が行われる6日(日本時間)に、今井達也投手がアストロズでの入団会見を行ったのである。今井投手と言えば、2025年に行われた「プロ野球 新春麻雀交流戦」にも出場し、Mリーグとも縁のある人物だ。
そんな今井投手の新天地での活躍を応援するエールを送る意味での入場シーンの「H」ポーズだったのだ。蛇足かもしれないが、あのポーズはSNSで話題になっていたため取り上げさせていただいた。いつか今井投手がMリーガーになる未来があるかもしれない。

日本プロ麻雀連盟所属、プロ歴2年目。
英語、イタリア語が話せる。
麻雀プロの活動を中心にするため大企業を退職し、京都に家族を置いて上京。
現在は日本プロ麻雀連盟本部道場でスタッフとして在籍中。
いつかは書かれる側を夢みておもろい麻雀と服装を実践中。
X:@taknakano













