白鳥翔が持ち帰った、魂の20ポイント【Mリーグ2024-25観戦記 3/10 第2試合】担当記者 #江崎しんのすけ

優は【東】など全員の安牌を先に切ってまで【2マン】を持っていたことになるので、この【2マン】は関連牌と見ていい。

そうなると【2マン】が関連するパターンの多い【3マン】の方が、愚形で当たる可能性が高く見える。

一見シンプルに見えるが、この【3マン】【6マン】の比較は、見た目ほど単純ではないと、白鳥は自身のYoutubeチャンネルで行った検討配信で語っていた。

出典: 【Mリーグ】24-25シーズン3月10日第二試合牌譜検討【白鳥翔】

優は【8ソウ】をポンして【2マン】を切っているので、【2マン】の周りの牌が雀頭になっていることが多い。

パッと思いつくのは、【2マン】【3マン】【3マン】から【3マン】が雀頭になったパターンや、【2マン】【4マン】【4マン】から【4マン】が雀頭になったパターン。また雀頭ではないが、【2マン】【2マン】【4マン】からカン【3マン】になったパターンがある。

ただ、優は白鳥が切った【2マン】とたろうが切った【4マン】を鳴いていない。

白鳥の【2マン】切りから【8ソウ】ポンまで優は手を入れ替えていないので、【2マン】【2マン】【4マン】と持っていた可能性は否定されており、カン【3マン】が出てくることは無い。

たろうが【4マン】を切った直後に優は手出ししている。

もし優が【2マン】【4マン】【4マン】あるいは【2マン】【4マン】【4マン】と持っていた場合は、たろうの【4マン】を鳴いているはずなので、たろうが【4マン】を切った時点ではその形では無かったことになる。

つまり7巡目の優が【7ピン】を手出ししたタイミングで、【3マン】【4マン】を引いていなければ出てこない形なのだ。

【3マン】【4マン】が雀頭ではなく、【2マン】が手に関連している形は、例えば【2マン】【4マン】【6マン】からカン【5マン】待ちに取ったパターンや

【2マン】【4マン】【5マン】【6マン】【7マン】【7マン】から【7マン】が雀頭になったパターンなどがある。

どちらも【3マン】【6マン】があたる形ではないので、上記2パターンの場合は問題ないのだが、問題は【3マン】【4マン】どちらかが雀頭だった場合だ。

もし【3マン】が雀頭だった場合、【3マン】と何かのシャンポンは当然あり得るし、【3マン】【3マン】【5マン】【7マン】のようなカン【6マン】待ちも出てくる。

【4マン】が雀頭の場合、【3マン】待ちはあり得ないが【4マン】【4マン】【5マン】【7マン】の形のカン【6マン】は出てくる可能性がある。

つまり【3マン】【4マン】どちらかが雀頭だった場合、【6マン】の方が1つだけ当たりになるパターンが多いのだ。

【3マン】を切れば、即ゲームセット。
優が2着に浮上、アベマズは1戦目の日向のラスも含めると同日2ラスとなる。

長考の結果、白鳥の選択は放銃回避の【6マン】切りだった。

ギリギリで放銃を回避した白鳥だが、決め手になったのは優が5巡目に切った【1マン】だった。

タンヤオで仕掛けている優が、ドラ【4ソウ】近くの【2ソウ】よりも【1マン】を後から切っている。

つまり【1マン】の周りをこの時点で持っていた可能性が高いと読んだのだ。

もし【4マン】が雀頭で、この時【2マン】24mと持っていたなら、【1マン】【2マン】【4マン】で引っ張って【2ソウ】を先に切るのは不自然だ。

であれば【1マン】【3マン】【3マン】と持っていて、【1マン】を切った後に【7ピン】切りのタイミングで裏目の【2マン】を引いた可能性の方が高く見える。

この放銃回避の直後

優が白鳥の当たり牌である【白】を掴み、白鳥が3着に浮上する5,800点を成就させる。

ここから白鳥の反撃が始まるかと思われたが、麻雀とは本当に展開の読めないゲームだ。

その後南4局1本場に進み、冒頭のシーンに戻る。
見事な放銃回避を見せた白鳥だったが、再び追い込まれていた。

【3ピン】【6ソウ】どちらかのトイツを落とさなければアガリは厳しいが、【3ピン】はたろうのロン牌だ。

白鳥の選択は、どちらでも無い打【2マン】だった。

白鳥は自身のアガリは難しいと判断して、苦渋のオリを選択した。

【2マン】【4マン】が4枚見えているので、ほぼ当たらない牌だが、すごいのは【2マン】以外に通りそうな牌が無いことだ。

3人の現物が無いため、次巡は切る牌を捻りださなければいけない。どうせ安牌が無いからとお茶を濁して手を進める人も多いだろう。

しかし、白鳥はアベマズの失点を最小に抑えるべく、その時点で最も通りそうな牌を選択した。次巡手詰まってしまうことも覚悟の上で。

結果は白鳥が手詰まる前に、たろうが【3ピン】をツモり終局。
白鳥は命からがら3着を持ち帰った。

逆風が続くアベマズ。
追い上げるサクラナイツとのポイント差は約120ポイントまで近づいた。

しかしそんな中でも、昨シーズン猛威を振るい、今年もチームを支える白鳥の強さは、全くもってブレていない。

 

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀シリーズ 新刊情報/