優はなど全員の安牌を先に切ってまで
を持っていたことになるので、この
は関連牌と見ていい。
そうなるとが関連するパターンの多い
の方が、愚形で当たる可能性が高く見える。
一見シンプルに見えるが、このと
の比較は、見た目ほど単純ではないと、白鳥は自身のYoutubeチャンネルで行った検討配信で語っていた。

出典: 【Mリーグ】24-25シーズン3月10日第二試合牌譜検討【白鳥翔】
優はをポンして
を切っているので、
の周りの牌が雀頭になっていることが多い。
パッと思いつくのは、から
が雀頭になったパターンや、
から
が雀頭になったパターン。また雀頭ではないが、
からカン
になったパターンがある。
ただ、優は白鳥が切ったとたろうが切った
を鳴いていない。


白鳥の切りから
ポンまで優は手を入れ替えていないので、
と持っていた可能性は否定されており、カン
が出てくることは無い。
たろうがを切った直後に優は手出ししている。
もし優があるいは
と持っていた場合は、たろうの
を鳴いているはずなので、たろうが
を切った時点ではその形では無かったことになる。
つまり7巡目の優がを手出ししたタイミングで、
・
を引いていなければ出てこない形なのだ。

・
が雀頭ではなく、
が手に関連している形は、例えば
からカン
待ちに取ったパターンや

から
が雀頭になったパターンなどがある。

どちらもがあたる形ではないので、上記2パターンの場合は問題ないのだが、問題は
・
どちらかが雀頭だった場合だ。
もしが雀頭だった場合、
と何かのシャンポンは当然あり得るし、
のようなカン
待ちも出てくる。
が雀頭の場合、
待ちはあり得ないが
の形のカン
は出てくる可能性がある。
つまり・
どちらかが雀頭だった場合、
の方が1つだけ当たりになるパターンが多いのだ。
を切れば、即ゲームセット。
優が2着に浮上、アベマズは1戦目の日向のラスも含めると同日2ラスとなる。
長考の結果、白鳥の選択は放銃回避の切りだった。

ギリギリで放銃を回避した白鳥だが、決め手になったのは優が5巡目に切っただった。

タンヤオで仕掛けている優が、ドラ近くの
よりも
を後から切っている。
つまりの周りをこの時点で持っていた可能性が高いと読んだのだ。
もしが雀頭で、この時
24mと持っていたなら、
で引っ張って
を先に切るのは不自然だ。
であればと持っていて、
を切った後に
切りのタイミングで裏目の
を引いた可能性の方が高く見える。
この放銃回避の直後



優が白鳥の当たり牌であるを掴み、白鳥が3着に浮上する5,800点を成就させる。
ここから白鳥の反撃が始まるかと思われたが、麻雀とは本当に展開の読めないゲームだ。


その後南4局1本場に進み、冒頭のシーンに戻る。
見事な放銃回避を見せた白鳥だったが、再び追い込まれていた。
・
どちらかのトイツを落とさなければアガリは厳しいが、
はたろうのロン牌だ。
白鳥の選択は、どちらでも無い打だった。

白鳥は自身のアガリは難しいと判断して、苦渋のオリを選択した。
は
が4枚見えているので、ほぼ当たらない牌だが、すごいのは
以外に通りそうな牌が無いことだ。
3人の現物が無いため、次巡は切る牌を捻りださなければいけない。どうせ安牌が無いからとお茶を濁して手を進める人も多いだろう。
しかし、白鳥はアベマズの失点を最小に抑えるべく、その時点で最も通りそうな牌を選択した。次巡手詰まってしまうことも覚悟の上で。
結果は白鳥が手詰まる前に、たろうがをツモり終局。
白鳥は命からがら3着を持ち帰った。


逆風が続くアベマズ。
追い上げるサクラナイツとのポイント差は約120ポイントまで近づいた。

しかしそんな中でも、昨シーズン猛威を振るい、今年もチームを支える白鳥の強さは、全くもってブレていない。

日本プロ麻雀連盟所属プロ。株式会社AllRuns代表取締役社長。業界を様々なやり方で盛り上げていくために日々奮闘中。Mリーグ観戦記ライター2年目。常に前のめりな執筆を心がけています(怒られない範囲で)。Twitterをフォローしてもらえると励みになります。
Twitter:@EzakiShinnosuke