今までは1選手を取り上げて書いてきたこのコラム。
しかし、今回は少しテイストを変えて、対局者4名が究極の決断をした1局を書いていこうと思う。
3月7日の第2試合。
筆者が解説した日の試合から。
それでは早速スタート〜!!
この日の第1試合。
KADOKAWAサクラナイツの岡田がトップを取り、残り9戦となったチームポイントランキングがこちら。
混沌としている終盤戦。
第2試合に出場する4選手はこちら。
微差ながら亜樹の2着で再び首位に返り咲いたEX風林火山からは、繊細なる超巨砲松ヶ戦。
岡田のトップでまだマイナスとはいえ3位に浮上したKADOKAWAサクラナイツからは、昨シーズン優勝請負人堀慎吾
苦しい中盤戦から更に苦しい終盤戦が続く渋谷ABEMASからは、ベストバランス松本吉弘
こちらも苦しい終盤戦が続く現在セミファイナル進出ボーダーのTEAM雷電からは、雪原の求道者萩原聖人
果たして勝つのは!?
松ヶ瀬が東1局の6000オールから点棒を減らすことなく積み重ねていき、迎えた南3局堀の親番。
まずはこの局の全員の理想から。
堀は現状3着目。
2着目松本とも、4着目萩原とも近い点棒状況であり、なんとか加点し親番を継続したい。
トップ目松ヶ瀬は一つずつしっかり親を落としていけばトップで終われる状況。
2着目松本は堀にも萩原にも捲られずにオーラスの親番を迎えたい。
4着目萩原は一個でも上の着順でオーラスを迎えたい。理想は松本も捲りたいが、堀だけを捲り3着目で迎えるのも価値は高い。
つまり、全員が堀の連荘だけは阻止したいという状況というのを踏まえて見ていただきたい。
まず最初に動いたのは萩原。
松本から出たを鳴いてこの形。
ターツこそ足りてないが、とドラのがあり、使い切ってアガれば3900以上になり堀を交わす。松本から直撃が出来れば2着目でオーラスを迎えられる。
これが東1局なら萩原がこのを鳴いてる姿は想像が出来ない。
だが、『局面に応じた手牌進行』。
今の状況からすると必然のポンになる。
点数的にもだが、もう一つ必然になる理由がある。
上家のトップ目松ヶ瀬と利益が一致しているからだ。
親を落としたい松ヶ瀬は萩原のアガリは大歓迎。
ということは、この仕掛けを入れれば協力してもらえる。
鳴かせてもらえるんじゃないか?という算段が出来る。
『この状況下で味方を探す』
これは麻雀においてすごく大事なことなので、頭に入れておこう。
萩原の思惑通り松ヶ瀬はここで、自分の手を崩す切り。
これは、萩原に対してのメッセージ。
『わかりました。僕がアガるよりも萩原さんがアガリに行ってくれるのですね? ならばお任せします!』
こんな感じで卓上では無言の会話が繰り広げられるようになる。
そして、このアシストの上手さにも注目してほしい。
下家に鳴かせたい時、当然序盤は相手の手牌にどのターツがあるかは情報が少なくて分からない、なんならまだターツが出来てないこともある。
だからこそ、もし自分が鳴かせたい立場にいる時に必要な事は
『対子以上で持っている牌を切る』
相手からしたら、まだそこは鳴けないのよ。。
早いよー。となっているかもしれない。
そんな時、1枚だけ切ってもう1枚を残しておけば、あとでまた切ってあげることが出来るのだ。
実際に松ヶ瀬はこの後
すぐさま対子のを切っている
そして萩原の手はこちら
まだにくっついてない為鳴けないのだが
だがその数巡後