園田賢
──8年目の進化とは──
文・小林正和【金曜担当ライター】2025年9月26日
今週は第一戦目を担当。
実はその時、密かに楽しみにしている事がある。それは午後3時の、スマホに届くMリーグ公式LINEからの通知だ。
開始時刻よりも少しだけ早めに対局者を知る事ができるこのツール。僕の中では、それを“対戦カード・ガチャ”と呼んでいる。
画面を開く瞬間は、まるで新しいカードをめくるかのようなワクワク感があるのだ。
ちなみに話は逸れるが、Mリーグ・トレカの新パックが絶賛発売中らしい。

こちらも要チェックである。
話を戻そう。
引き当てた本日のカード… それは正にSSR級であった。
現鳳凰位、現雀王、魔術師、そして小さな天才。
Mリーガーの中には、もちろんビジネス観点から“広告塔”や“芸能人”といったインフルエンサー的な側面を合わせ持つ者がいる。あるいは、オーディション枠・起爆剤の役割を期待されて入団した人もいるだろう。
だが今回の組み合わせは何かが違った。
ただ純粋に
「今、日本で一番強いやつら」
と言われてもおかしくない各団体のトップランカー達が集結したのである。
細かな読み合い、緻密な駆け引き、そして奇抜な騙し合い。まるで今日のドジャース・山本由伸選手が登板した投手戦のような試合展開を予想。
その反面、見えないプレッシャーが襲いかかる。
(最後まで、この人たちの高度な思考についていけるのだろうか…)
しかし、いざ幕が上がると待っていたのは、遅めの夏フェスのようなド派手な乱打戦であった。
第1試合

東家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
南家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
西家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
北家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
役満も!?超弩級のアガリを一挙公開!
東1局 1本場── 園田賢、衝撃のハネ満ツモ──
ド派手度:★★★☆☆

園田賢
リーチ・ツモ・ハイテイ・ピンフ・タンヤオ・赤
3,000・6,000(+1,300)
終盤に南家・仲林からリーチを受けるも、同巡にテンパイを入れた園田。
ツモ回数2回、現物待ち、安全牌との入れ替え…などヤミテンにしたい理由はいくらでもあったのだが、ここはリーチを選択。
そして見事なツモアガリとなり、積極策が功を奏した一局となった。
ターニング・ポイントは

14巡目、このチーテン取らず。

東1局に親・白鳥へ5,800点の放銃スタート。ここは親流し・持ち点回復・テンパイ料確保を見据えての仕掛けが有力なシーンであった。
更には3枚切れ、
も2枚目というのも仕掛けの後押しに。フーロ率高めの印象があっただけに、このスルーには正直かなり驚いた。
ちなみに参考として、超メンゼン志向の麻雀AI「ヒバカリ」でさえ、この場面は“チー寄り”の評価。それを押し切ってまで鳴かないという選択の凄みを、感じ取って頂けただろう。
東2局 ──堀慎吾、意地のハネ満ツモ──
ド派手度:★★☆☆☆

堀慎吾
リーチ・一発・ツモ・ピンフ・赤・ドラ・裏
3,000・6,000(+1,000)
今度は園田の先手リーチを受けながらも、堀が追いつき追い越した局。
ターニング・ポイントは
リーチ一発に放ったこのである。