文・後藤哲冶【木曜担当ライター】2024年2月8日
7%
これが何を示すパーセンテージかを分かる人はいるだろうか。
言わずと知れたTEAM雷電のお嬢、黒沢咲の今日の対局を迎えるまでの副露率である。
ちなみにMリーグ出場選手の平均はおよそ23%。
この23%すらも、副露率としてはかなり低めな印象を受けるのに、黒沢はそれすらも大きく下回る1桁の7%だ。
人によっては、これでどうやって麻雀を打つのかわからないとすら思うレベルだろう。
しかし黒沢は2月8日の第2試合において、総局数14局の内、4局に副露を入れた。
つまり、黒沢はこの試合においては自身の副露率7%を大きく上回る28%の副露率を残したことになる。
今までの打ち筋からすれば、これは相当に高い数字だ。
麻雀は鳴けば良いというものでもない。だからこそ、黒沢が鳴いたから珍しい、と片付けるだけではなく。
あの黒沢が、何故副露を入れたのか。その理由をしっかりと見て行こう。
2月8日 第2試合
東家 魚谷侑未 (セガサミーフェニックス)
南家 小林剛 (U-NEXT Pirates)
西家 黒沢咲 (TEAM雷電)
北家 二階堂瑠美(EX風林火山)
この半荘、終始厳しい戦いを強いられることになったのが、セガサミーフェニックスの魚谷だった。
東1局
西家黒沢からのリーチを受けて、自分の手牌もイーシャンテン。
現物のを切ると。
これが小林のダマテンに放銃となってしまう。
が、これは1300と打点は低く、ツモられても子より多く点棒を支払う親であったことを考えると、そこまで悪い結果ではない。
東2局は瑠美が2000、4000のツモアガリで、東3局。
魚谷は、それほど良い手牌でもなく、相手に攻め込まれた時を考えてドラそばのをここでリリース。
しかしこれが直前にテンパイを入れていた親の黒沢にジャストタイミングで捕まってしまう。
タンヤオイーペーコードラ赤の12000。
続く1本場
今度はこの牌姿から、が2枚切れで無いので、ドラの受け入れと678の変化を残す切りとすると。
これが瑠美のダマテンに突き刺さる。
ピンフイーペーコードラドラ赤赤は、12000の1本場12300。
魚谷はこの2局で実に24300点を失い、ハコ下に沈んでしまった。
この日の第1試合で、フェニックスは醍醐がトップを獲得。
チーム状況も考え、その流れに続きたかったが、あまりにも苦しい2局連続のダマテン放銃。
それでも、南場の親番が残っている。魚谷は前を見据え続けていた。
東4局1本場で、瑠美が小林とのリーチ対決を制し、再び12000を成就。
これでひとつ抜けたトップ目に立つことに成功。
2本場でも、瑠美が畳みかける。
を引き入れて、とのシャンポン待ちでのリーチだ。
これに真っ向から勝負したのが、黒沢だった。
瑠美の河は中張牌が少なく、情報があまりない。
どうせオリれないのであれば、対子落とし中だったは強く押して、イーシャンテンをキープする選択だ。