使う手を変えても
麻雀は変わらない
小林剛が左手で示した
勝利への航路
文・東川亮【木曜担当ライター】2020年11月5日
大和証券Mリーグ、11/5。
第2回戦の出場選手として、U-NEXT Piratesからは船長・小林剛が出場。
10/19以来、およそ半月振りの登場となるが、その背景にはとある事情があったそうだ。
小林選手は10月末に右手の古傷の治療をし、復帰に向け調整を行っておりました
本日の試合出場にあたって右手の状態を確認、また左手でも一昨年自団体のリーグ戦を闘い抜いた経験があり、「右で打つか左で打つか」を本人と話し合った結果、最終的に左での出場となりました
復帰戦応援お願いします!
— U-NEXT Pirates (@unext_pirates) November 5, 2020
Mリーグ30選手の中で、左手で麻雀を打つのはセガサミーフェニックスの近藤誠一のみ。
この日は少々珍しい、レフティー・小林剛のお目見えとなった。
第2回戦
南家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
北家:小林剛(U-NEXT Pirates)
小林は、放送対局以外では負傷した右手ではなく左手で麻雀を打つことも多いという。
実際、見慣れない姿に違和感こそあるものの、所作自体のぎこちなさは感じられない。
東1局、小林はを切ってカン待ちリーチを打った。
打点を下げてのリーチであり、現代の麻雀ではいわゆる宣言牌のスジは危険だと言われているが、それでもよりはアガリ率は高いだろう。
赤切りであればなおさらである。
また、打点を下げたといってもドラが雀頭で5200点スタート、ツモ、あるいは出アガリでも裏ドラ1枚で満貫となるので、半減まではしていない。
道中、萩原が4枚目のをポンしてカン待ち、日向が待ちのテンパイで追いつくが、二人にとって最後のアガリ牌3は小林が引いて暗槓。
これで萩原、日向のアガリはほぼ消えた。
とはいえ萩原は、親番を続けるためにテンパイを取りきりたい。
ゆえに最後に掴んでしまったを止められずに放銃、テンパネで60符3翻、8000の失点となった。
小林は次局もドラをポン、待ちをあっさりツモって2000-4000。
2局連続の高打点で、早くも大きく抜け出す。
東3局は、親の日向にドラが固まった強力な手が入る。
中盤に入り、小林は比較的安全度の高い字牌を抱えながらの進行。
日向から打たれたはこの手のネック、鳴いて手は進めるもは温存。
手の中には各者への現物がしっかりと格納されており、守備力は落とさない。
左手での副露も実にスムーズだ。
その後、いったんは生牌のを引いてターツを壊すが・・・
最終手番で打によるテンパイを取った。
これは解説の滝沢和典(EX風林火山)曰く、「萩原さんと魚谷さんが何かを引いてまわっていた。数字なら粘れるが、字牌では粘れないから」とのこと。
二人がまわった牌がならば、日向にが当たるケースは手役が絡んでの単騎待ちしかないことになる。
事実、最後は萩原・魚谷が小林に合わせてを打って流局。
先に打っていたならば、ひょっとすると二人からの押し返しもあったかもしれない。
小林がを切る決断、そしてタイミングが絶妙な一局だった。
東4局1本場の親番では、果敢にドラを切ってのシャンポン待ちリーチ。
先にテンパイしていた魚谷から一発でを打ち取り、7700は8000を加点。
小林1人が点棒を積み上げている展開が続く。