使う手を変えても麻雀は変わらない 小林剛が左手で示した勝利への航路【Mリーグ2020観戦記11/5】担当記者:東川亮

次局は早々にイーシャンテンとなっていた日向がpastedGraphic_27.pngを鳴いて打pastedGraphic_8.png、カンpastedGraphic_28.png待ちのテンパイを入れる。

このpastedGraphic_8.pngを小林がチー。

(※手で隠れている部分はpastedGraphic_30.pngpastedGraphic_31.pngpastedGraphic_31.png

少々遠い仕掛けだが、日向が前巡に切った1枚目のpastedGraphic_8.pngはスルーしているのがポイントだ。

これは小林曰く「鳴かないよりはマシ」という牌。

pastedGraphic_9.pngpastedGraphic_8.pngpastedGraphic_32.png二度受けが残っており、特にpastedGraphic_8.pngは両方のスジにかかるネックとなる牌。

これを鳴かなければ、ほぼアガリは見込めないという判断だろう。

また、役牌を仕掛けた日向に少しでも圧をかけ、好きに打たせないようにするという意図もあったとのこと。

とは言え、こういう牌をすぐ鳴いていけるところに、鳴きを巧みに駆使する小林らしさが感じられる。

麻雀を打つ手は変われども、小林剛の麻雀は変わらない。

 

小林は魚谷のリーチを受けた直後にテンパイ、現物がないことからpastedGraphic_5.pngをプッシュ。

 

河にpastedGraphic_37.pngが4枚見えて待ちが良くなり、テンパイを取った萩原からpastedGraphic_38.pngを打ち取った。

 

南1局ではダブpastedGraphic_30.pngを鳴いてホンイツ気配の魚谷に対してpastedGraphic_41.pngpastedGraphic_42.pngpastedGraphic_43.png待ちのリーチをぶつけると、なんとハイテイでツモって2000-4000。

幸運までも味方につけてさらなる加点に成功、他3者が競りの状態であることから、小林にとって非常に有利な展開となっている。

こうなれば、あとは安全に試合を終わらせるだけだ。

南2局では序盤に平和テンパイをヤミテンに構えるも、親の魚谷がpastedGraphic_21.pngpastedGraphic_5.pngとポンしてホンイツ気配のところにドラpastedGraphic_41.pngを引き、あっさりと撤退。

やみくもに前に出るようなことはしない。

魚谷が4000オールをツモった次局も、役なしペンpastedGraphic_43.png待ちテンパイは取らずに守備前提の進行。

萩原・魚谷・日向が着アップを狙って攻めに出る中で自身は高みの見物、万が一にも事故を起こさない鉄壁の構えを保ち続け、リードを守り切って試合を終わらせた。

盤石の麻雀で勝利を収めた小林だったが、この日一瞬だけ怪訝そうな表情を見せた場面があった。

試合中は表情を崩さず、インタビュアーの松本圭世さんからの質問には柔和な笑みをたたえて応じていたが・・・

「展開的にいい状況が続いたかと思うんですけど・・・風は吹いていましたか?」

「・・・ちょっと暑かったですね、あんまり風は吹いていなかったですね」

小林剛の麻雀の世界に、風などという不確かなものは存在しない。

そして不確かなもので揺らぐほど、小林剛の麻雀は脆弱ではないのだ。

おなじみのポーズである敬礼も左手で。

苦戦が続くパイレーツに、頼れる船長が帰ってきた。

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