チームの危機を救え! ドラを切り、ドラを使って活路を開いた船長・小林剛【Mリーグ2020観戦記2/1】担当記者:東川亮

1300-2600は1400-2700というアガリは、戦局を変えるに十分な一撃となった。

 

南2局

前原がカン待ちでリーチを打つが、を鳴いていた小林もカン待ちで追いつく。

ここからの押しがすごかった。

途中でを鳴いて待ちをに変えつつ、

と通っていない牌を次々に切り飛ばす。

のスジ以外は完全に無スジだ。

前原のリーチは早くて通っていないスジもたくさんある。

愚形待ちリーチが多い打ち手ということで何が当たるか分からないが、逆に言えばそう簡単に当たることもない。

そして何よりオリようとしたところで現物はないし、自分がアガれるならそれがベスト。

自身の手は1000点とはいえ、前に出る理由はあった。

それでも、周りからすれば強烈な押しに見えたことだろう。

ただ、最終的には引きで手を崩した。

さすがにこれ以上無スジは押せない、また守っても最後までオリきれそうということか。

この局は流局となる。

その後、小林は南3局1本場に2000、南4局の親番では2900と、いずれも沢崎から出アガリ。

打点は低いものの、アガリを重ねてトップに迫る。

そして迎えた南4局1本場、小林の手にドラが重なった。

3巡目にはネックと思われたペンを引き入れ、いよいよ戦闘態勢。

一つ仕掛けていた前原がをチーして先にテンパイを入れるが・・・

この鳴きで小林に入ったのはもっともほしかったドラ

がいずれも1枚見えということで、カン待ちでリーチに踏み切った。

アガリ牌は残り3枚と十分。

ただ、アガればトップとなる前原のアガリ牌も山には残っている。

格闘倶楽部ファミリーやパイレーツクルー、そしてMリーグファンが固唾を飲んで見守るめくり合い。

最後のワンピースを引き入れたのは・・・

小林だった。

渾身のリーチツモドラ3、試合の行方を決定づける4000は4100オール。

ふんだんにドラを使い、リーチ後にはまで寄ってくるというドラの偏り。

海賊船を再び前進させるそのアガリは、潮風の中にどこか「セレブ」の香りを漂わせていたのかもしれない。

その勝利は小林にとって1/3以来、チームとしても1/5以来という久しぶりのものとなった。

とはいえ1勝しても最下位、まだまだチームの危機であることには変わりはない。

そして危機を脱するには、小林一人だけの力では足りない。

チームメートの復調、とりわけ不振にあえぐあの男が昨シーズン終盤に見せた力を取り戻すことが求められるだろう。

「王」と呼ばれる男の復活劇は成ったのか。

第2回戦の模様については、山﨑和也さんの観戦記をご覧ください。

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