「カギを握る、EX風林火山の初戦」Mリーグ2020セミファイナル、最終節の注目ポイント
朝日新聞Mリーグ2020セミファイナルは、4/30の2戦を残すのみとなった。前日の試合でKONAMI麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電は全日程を終了。いずれもポイントを伸ばせず、特に大敗を喫したTEAM雷電はここで脱落となってしまった。また、KONAMI麻雀格闘倶楽部はファイナル行きの可能性が残されているものの、現実的にそれほど可能性は高くないだろう。
現状を踏まえ、最終日の見どころについて紹介していく
4/30
「赤坂ドリブンズ vs EX風林火山 vs KADOKAWAサクラナイツ vs 渋谷ABEMAS」
3位の赤坂ドリブンズと5位のKONAMI麻雀格闘倶楽部の差は、165.7pt。わずか2戦でドリブンズがこれだけのマイナスを叩くとは考えにくい。つまり、ファイナル行きを決める争いは「EX風林火山 vs KONAMI麻雀格闘倶楽部」の構図に絞られたと言える。
■4位・EX風林火山 -30.0pt 5位とのポイント差 68.3pt
4/29の試合結果を受け、状況は風林火山にとって大きく好転した。ポイント差が70pt弱まで広がり、4着も1回までは受け入れられる。初戦を2着以上で終えられれば、ほぼファイナル行きの最後の椅子を確保できるだろう。可能であれば初戦をトップで終え、上だけを見据えた状態で最終戦を戦いたいところだ。
しかし、もし初戦で4着、あるいは素点を減らしての3着となれば、最終戦はとりわけ大きなプレッシャーにさらされる。風林火山にとって、セミファイナル敗退は現行チームの解散を意味しており、文字通りチームの存亡をかけた一戦となるからだ。いずれも百戦練磨の3人ではあるが、初戦、そして重圧がかかる状況で迎えた場合の2戦目のメンバー選考がどうなるか、非常に興味深い。
残る3チームは、最終日はファイナルを見据えての戦いとなる。ファイナルはセミファイナルのポイントをさらに半分にして行われるが、4/29の2戦で渋谷ABEMASがKADOKAWAサクラナイツに対して広げた191.4pt差は、半分にしても95.7pt、おおむねトップラス1回分に相当する。ABEMASとしてはさらにポイント差を広げてファイナルを有利に戦いたいだろうし、サクラナイツもこのままで終わるつもりはさらさらない。
そして3位のドリブンズ。彼らの目標はファイナル進出ではなく、優勝シャーレの奪還だ。今のポイント差のままだと上位2チームに対して出遅れた状態でファイナルを戦うことになるため、少しでもポイント差を詰めておきたい。
また、上位にとって下位がポイントを持っていない状況は、選択肢の数に差が生まれ、自分たちが戦いやすくなることにもつながる。そのため、状況次第では3位のドリブンズ、4位の風林火山に対して辛く打つ選択も出てくるかもしれない。
いずれにしても注目すべきは、初戦のEX風林火山の結果。オーダー発表から、最終日の戦いをぜひ楽しんでいただきたい。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。