村上のリーチはチートイのドラ
タンキだった。
押していればアガっていた…か。
しかし日向はこれまで、この徹底した守備バランスによりABEMASにポイントを持ち帰ってきたのだ。
一瞬、捨て牌に目をやり後悔したように見えたが「うん、私はこれでいい」と思い直したかのように牌を流し込んだ。
南３局
ジリジリとした展開のまま迎えた南３局。
日向はここから
を切った。
トップ目だからか、かなり守備を意識していることが分かる。
しかしまだ４巡目である。
のターツは、
がドラであることと、７８９の三色がハッキリと見えることから、ロスが大きいように感じる。
結局ここで切ったが
フリテンとなって日向の肩に重くのしかかることに。
あそこでを切らなければ、高め三色のテンパイだった。
日向の守備意識が裏目に出た格好だ。
しかしこの裏目からのリカバリーが素晴らしかった。
ツモ
でターツ選択。
場を見ると、
と
は良さそうなのでフリテンのを払っていくか。
打牌リズムの早かった日向が、この日一番の長考に沈む。
はフリテンだけど、ドラがだし、この巡目から→
と落としていくには危険が伴う。
たしかにはミスってしまった。
でも大切なのは過去じゃない。
「今、何を選択するか」だ。
ABEMASの仲間は本当に強いよ。
その３人のために、今、私ができることをひたむきにやるだけ。
こうして日向は吹っ切れたかのように
を切り飛ばした。
ピンズが安い分、は安全であり、残しは攻守兼用の選択と言える。
さらに驚いたのはここからだ。
終盤に差し掛かる12巡目のことだった。
なんと上家から打たれたをスルーしたのだ！
いやいやいや、フリテンだぜよ？！
（役牌も全部見えている終盤で、をチーしたら７８９の三色が本線に読まれてしまう。
そんな脆弱な片アガリの三色で2900を拾いにいって放銃しようものなら目も当てられない。それなら流局した方がマシだ。）
（それによく見たら…
だって悪くない！）
自信の持てない2900よりは、薄くとも決定打を！
過去のミスに動揺することなく、今私にできることを貫いた日向が「4000オール」と申告した。
その表情は
心なしか誇らしげに見える。
日向はこのまま終局までトップを維持することに成功した。
この日、２戦目もABEMASがトップを取り、
頭一つ抜ける格好になった。
直接対決で８戦あるのでまだまだわからないが、とはいえ日向を含む４人が好調というか、自信を持って打っているところを見ると、ポイント差以上の強さを感じてしまう。
他のチームはどうしても不調者・好調者がハッキリしているが、ABEMASは全員好調なのだ。
この日のインタビューで日向も多井も「全員で勝つ」という言葉を強調していた。
ファイナル最終日は来週の火曜日。
その日にはABEMASが完全勝利を収めているのだろうか。
オマケ①
完全に私の勝手な憶測であることを念頭に聞いてほしい。
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