後方一気のハナ差決着! 魚谷侑未、わずかな勝機を逃さぬ我慢と決断【Mリーグ2021観戦記12/20】担当記者:東川亮

一方、先ほどの堀と同様、魚谷もここでリーチ棒を出せば再び3番手に後退する。すでに局は終盤、チームのポイントに余裕があれば、あるいは弱気になっていたら、流局での決着を見据えてダマテンの選択をする打ち手もいたかもしれない。

魚谷には、どちらも当てはまらない。

「リーチ」

決意を秘めた発声とともに、魚谷は【9ピン】を横に曲げた。

決着は、一瞬だった。

リーチ一発ピンフドラ、おまけに裏1。魚谷の一撃は、堀を、そしてその向こうにいるたろうまでをも打ち抜いた。

最後はわずか100点差。実況解説陣の言葉を拝借しつつ競馬で例えるなら、魚谷の「後方一気でぶち抜いてのハナ差差し切り勝ち」とでも表現したい。

自身で言うように、この試合では終盤の展開が魚谷にとってうまく進んだように思う。だが、そこまでしっかりと我慢をし、チャンスを待ったことが、終盤の逆転劇を生んだのも事実。勝負どころをしっかりと見極めた、魚谷の戦いぶりが見事だった。

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