にいにい、安ちゃんのとこに逝くのが早すぎだよ【来賀友志さんとの思いで】文・藤原隆弘(日本プロ麻雀連盟)

但しこの作品、ある理由で来賀さんが私の立場を気遣って原作者の名前が注連木(しめのぎ)賢と言う別のペンネームになっているので検索するときはご注意下さい。

「ワラさんも原作やってみなよ、アドバイスもするし、編集者も紹介するから」

と背中を押されて私も原作に挑戦してみたことがありましたが、来賀さんの作品と比べると足元にもいや足の裏にも及ばず、恥ずかしくて他人に見せられない程度のものしか書けず俺には無理と諦めました。

47歳のとき、2人同時に禁煙しました。

麻雀打つときと、お酒飲むときと原稿書くときはタバコの本数が増えます。

当時の私は1日40本来賀さんは100本くらい吸っていましたが、ある日来賀さんが

喉の調子が酷いからタバコ止める」

と言い出しました。
丁度私も喉の痛みを感じていたので来賀さんに負けないように禁煙に挑戦。
お陰様で私は18年経った今でも禁煙を続けられてますが、来賀さんも続けられていたかな?

【交友関係の広さ】

来賀さんの交友関係の広さにも度々驚かされました。
豊島園の社長をしていた西武グループ堤家の三男、堤康弘さんの自宅に定期的に呼ばれて家庭麻雀のお付き合いをしていたり、俳優の柴田恭平さんが親しい仲間を集めて主催する麻雀大会のレギュラーメンバーだったり、恭平さんの会には私も一緒に参加させてもらったことがあります。
近年では東京オリンピック卓球の混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷準さんと私的な麻雀大会を楽しんでいる様子を発信していました。

多趣味で何をやるにしても自分で決めたことは中途半端にはしない人。
ラーメンに凝り始めると、美味いと聞いたラーメン屋にはかなり遠い地方の店でも数時間かけて実食しに行き
レポートする。更には有名店に修行に行きラーメン屋を開業できるほどの腕前になった。
食レポには写真が必要となるとプロの写真家の教室に通い、プロ仕様のカメラを持ち歩いてラーメン以外の食レポも増えた。
来賀さんのFacebookやTwitterの写真は自分で撮影したものが殆どで写真の腕も確かなのがよくわかる。

都内某所に俗に[天牌御殿]と称される来賀さんの自宅がある。
私も何度かお邪魔したことがあるが、地下一階地上二階建ての立派なお宅で地下には沢山の資料を備えた来賀さんの書斎があり、邸内はバリアフリー仕立でエレベーターが設置されている。
これは鹿児島に住んでいる御両親が年老いて介護が必要になったら呼び寄せて一緒に住むので、階段は辛いだろうという来賀さんの優しい配慮でしたが、まさか御両親より先に逝ってしまうなんて、本人も思っていなかったことでしょう。

【通夜と告別式】

お通夜と告別式にはそうした交流があった麻雀プロ達が多数参列していました。
最後のお別れのとき、死化粧を施して棺に横たわる来賀さんの表情はまだまだやりたい事は沢山あったはずなのに、穏やかで安らかでした。

「ワラさん、麻雀は歯を食い縛って
肚を括って打たなくちゃだよね!
ワラさんはもっと頑張ってね。」

と語りかけてくれている気がして涙が溢れそうになりました。

「にいにい、安ちゃんのとこに逝くのが早すぎだよ。

俺もそのうちそっちに行くから、また麻雀打って酒呑んでたくさん話をしようね!」

 

にいにい…来賀さんの愛称 安ちゃん…故、安藤満

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