命運を分けたテンパイ料。タイトルホルダーの頂に立ったのは… #麻雀最強戦2022 【タイトルホルダー頂上決戦】観戦記【決勝卓】担当記者:江嵜晋之介

この時点でトップ目奈良との点差は3,500点と、勝負の行方は全くわからなくなる。

南2局は河野の最後の親番、ベテランが意地を見せる。

5巡目、七対子の【2マン】単騎でリーチ。

 

 

2巡後、ドラ暗刻・ダブ【南】対子の勝負手が入っていた寿人が放銃となってしまう。

裏は乗らず4,800点。河野は持ち点を19,300点まで回復させる。

続く南2局1本場、渋川が先制リーチをかける。

 

【6ピン】を4枚使った5面張、【1ピン】【4ピン】【7ピン】【5ピン】【8ピン】待ちだ。

渋川圧倒的有利に思われたが、親の河野が山に1枚しか残っていなかった【3ピン】を引き入れ、三色確定のリーチをかける!

待ちはカン【4マン】。カンチャンではあるもののこれがなんと山に3枚生きていた。ツモれば一発逆転の8,000オールまで狙える渾身の手。

対して渋川の5面張は山に6枚。6枚vs3枚の捲り合いは…

 

渋川に軍配が上がった!

安目の【1ピン】だが大きな2,600点の出アガり。

河野はあと1歩届かず、無念の放銃となってしまう。

その後、南3局でラス目親番の寿人が2,000オールをアガるも、

南3局1本場で渋川が河野からリーチ七対子の3,200は3,500点を出アガり、渋川トップ目のままオーラスに突入する。

この時点での優勝条件はこのようになっている。

・渋川

トップなのでこのまま終われば優勝。

ただ2着目奈良と3,900点差なので、1人ノーテン・奈良の1人テンパイだと捲られてしまう。

・奈良

親番かつトップの渋川と3,900点差。

最強戦は同点の場合上家優先なので700、1,300のツモまたは3,900の出アガり(渋川からの直撃は2,000点)で優勝。

・寿人

跳満ツモ条件。渋川・奈良の両名を捲る必要があるため出アガり条件は渋川からの倍満、もしくは奈良・河野からの三倍満。

・河野

寿人と同じく渋川・奈良の両名を捲る必要があるため三倍満ツモが必要。ただテンパイ料が入れば次局が倍満ツモ条件に変化する可能性がある。

奈良はもちろんだが渋川も簡単に引くことはできず、寿人・河野も長引けば十分に可能性はある。各者最後の意地をかけたぶつかり合いが予測された。

しかし予想とは裏腹に、意外な結末を迎えることになる。

早々に鳴きを入れ全力でテンパイを目指していた渋川。

なんとテンパることができずノーテン宣言となってしまう。

2着目の奈良は片アガりながら逆転可能なテンパイを入れていた。

そして河野。三倍満が必要だが次局の条件が緩和されるためテンパイを入れている。

流局後、まず親番の渋川が手を伏せる。そして南家の奈良がテンパイ宣言を行った。

親番の渋川がノーテン宣言した時点で、次局がないため河野の敗退は決定している。

寿人は途中からベタオリしていたためノーテンだとすると、もし河野がテンパイを宣言すれば2人テンパイで渋川の優勝、ノーテン宣言を行えば1人テンパイで奈良の優勝と、敗退が決定している河野が自身の勝利に関係のない選択で優勝者を決めるという状況に陥ってしまったのだ。

河野は手を止めて北家の寿人に「どうすればいい?」と話しかける。

河野は事前のインタビューにて、自身の活躍をRMUの若手・中堅にチャンスを作るきっかけにしたいと語っていた。

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