命運を分けたテンパイ料。タイトルホルダーの頂に立ったのは… #麻雀最強戦2022 【タイトルホルダー頂上決戦】観戦記【決勝卓】担当記者:江嵜晋之介

命運を分けたテンパイ料。

タイトルホルダーの

頂に立ったのは…

【決勝卓】担当記者:江嵜晋之介 2022年6月25日(土)

6月25日に行われた麻雀最強戦2022 タイトルホルダー頂上決戦。

各団体の最も勢いがある選手が集まり、白熱した予選が繰り広げられた結果、決勝卓に駒を進めたのはこの4人だった。

佐々木寿人

Mリーグでの活躍が目覚ましい寿人だが、現在団体最高峰タイトルである鳳凰位を2連覇中。予選A卓では1人アガりを連発し圧勝での通過を果たした。

かねてより獲得したいタイトルの一つだと語っている最強位への挑戦権を狙う。

渋川難波

Mリーグの解説でお馴染みの渋川。

雀王位の獲得、自身が手掛けるYouTubeチャンネルの登録者数が間もなく4万人突破と破竹の勢いを見せる渋川は、時期Mリーガーとの声も多い。

予選A卓では1人抜けた寿人以外での熾烈な2着争いを制し見事突破。

奈良圭純

日本プロ麻雀連盟主催のタイトル麻雀マスターズを獲得しての参戦。

連盟の22期生である奈良はMリーガーの寿人・内川と同期だ。

「実はこれまでに3つ獲得しているが、こんなに知名度がないプロは自分くらい」と自虐的に語った奈良だが、奇抜な風貌・名前を今日の対局で覚えた視聴者も多いのではないだろうか。

河野高志

RMUに籍を置くベテランプロ。獲得したタイトル数は10個と本日の出場メンバーの中でも群を抜いている。

予選B卓では高打点への放銃で一時は4着目まで落ちるものの、終盤怒涛の追い上げを見せ仲林を捲っての2着通過。解説の瀬戸熊プロに「勝負強いプロ」と評される実力を存分に発揮した。

「頂上決戦」の名にふさわしい実力者が出揃い、戦いの火蓋がドラの音と共に切って落とされた。

試合が大きく動いたのは東2局1本場。

 

7巡目、東1局の親番がノーテンで流れてしまった北家の奈良にテンパイが入る。ドラ【9ピン】が2枚ある勝負手だ。

待ちは【5マン】【9ピン】のシャンポンかカン【6マン】を選ぶことができ、マンズの場況が非常に良い。

単純な見た目枚数なら【6マン】が一枚切れているためシャンポンの方が1枚多い。ただ片方の待ちである【9ピン】がドラゆえに山に何枚残っているかわかりにくく、マンズの待ち枚数だけでいえばカン【6マン】の方が多いことになる。

間違えることが許されない大一番、奈良はシャンポン待ちを選択しリーチをかける。

この選択が功を奏す。

ドラの【9ピン】は山に残っていなかったものの、【5マン】が2枚残っていた。2巡後【5マン】をツモ。

そして嬉しいことに裏ドラも【9ピン】

リーチツモドラ2裏2の3,000、6,000を決め奈良が大きくリードする。

気持ちよく先制した奈良だが、続く東3局ちょっとした事件が起きる。

各者なかなか有効牌が引けずもつれ、渋川・奈良がテンパイを入れ流局。

しかしなんと奈良がテンパイにもかかわらず手牌を間違って伏せてしまう。

この局について、終了後に「テンパイ宣言をしたつもりだったのに何故か手牌を伏せてしまった」と奈良は語っていた。

タイトルを3つ獲得しているとはいえ最強戦初出場の奈良、極限のプレッシャーの中での起きてしまったヒューマンエラーと言えるだろう。

対局を中断し判定を仰ぐことになった。結果は渋川の1人テンパイ。

本来奈良はテンパイ料で1,500点の加点になるところが-1,000点に、対して渋川は+1,500点のところが+3,000点とこのミスにより4,000点の差が縮まってしまう。

ここから渋川がじわじわと追い上げを見せる。

続く東4局1本場では3巡目に先制リーチをかけ1人テンパイで流局。

その後全員ノーテンで親番は流れてしまうものの南1局3本場では早い役牌の仕掛けから1,000点を出アガり、本場と供託のリー棒を回収する。

 

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