【第2回 #雀魂 #バーチャルインターハイ 第3回戦レポート】MVPはゴールじゃない 「やってみよう」の精神が 歌衣メイカと麻雀を繋いでいる【文 #後藤哲冶 】

東4局1本場。4巡目に【4ピン】を引いてきて渋谷の選択。
【3マン】【2マン】と切っていけば、ロスの少ない形になるが……

渋谷が選んだのは【1ピン】
この打牌のメリットは、仮に三色にならない【1マン】を引いてきてしまったとしても、もう一度【4マン】を引くチャンスがあること。
さらにこの手順なら最高でメンタンピン三色イーペーコーだ。

想定とは違ったが、これでもタンヤオのリーチが打てる。
渋谷がリーチ。

15巡目、渋谷の元にやってきたのは…… カン材の【3マン】

「麻雀って……楽しいよね」

『咲-Saki-』原作ファンなら誰もが知っている悪魔の囁き(名言)を口にする渋谷。
神域リーグ視聴者なら誰でもあの時の映像が頭をよぎっただろう。

【8ピン】大明槓からの嶺上開花。
それこそ咲顔負けの嶺上開花の実績がある渋谷なら、あり得る――

残念ながら、嶺上開花とはならなかった。
しかし一瞬で周りの同卓者から悲鳴が上がったことを見ても、渋谷のカンには迫力がある。

結局、テンパイを入れていた歌衣に振り込みに回ってしまったが、一つ見せ場を作った渋谷だった。

続く南1局

歌衣がこの手牌から鳴ける【4マン】が出て動きが止まる。
既に手牌はイーシャンテンで、【4マン】をチーしてテンパイに取ると役は無い。
イーペーコーはメンゼンでのみ有効な役だ。

歌衣の選択は、【4マン】をチーしての打南。
イーシャンテンからイーシャンテンへの鳴きだが、これならタンヤオが確定して鳴きが使いやすい。
ピンズの形【4ピン】【4ピン】【5ピン】【6ピン】【6ピン】【6ピン】がドラで、そのままイーペーコーとして使うよりは
【4ピン】【5ピン】【6ピン】【6ピン】【6ピン】【4ピン】【5ピン】【6ピン】【6ピン】といった1メンツ1雀頭といった形を想定した方が柔軟だ。

……という解説を歌衣にしていることが本当に驚きだ。
公式放送で解説を務めている多井も

「こんなチーするメイカじゃなかった! 4種類から国士に行ったメイカちゃんはもういないんだな…… 」
と、寂しそうな口調とは裏腹に、どこか嬉しそうな表情。

ドラの【6ピン】を引き入れた後に、咲乃から出た【4ピン】をポン。
【2ソウ】【5ソウ】待ちにもとれたが、【4ピン】【5ピン】【7ピン】待ちを選択。
【4ピン】をポンして【4ピン】が当たるとは、他家も想像しにくい。

結局、咲乃のリーチ後に渋谷が現物の【4ピン】を打ってしまい、歌衣に11600点の放銃。

南1局1本場も、歌衣の鳴きが光る。

この配牌から、【東】をポン。

咲乃から先制リーチを打たれるも、鴨神から出た現物の【1ソウ】を鳴いてテンパイ。
打点こそ低いがテンパイを組むことに成功した。

更に次巡、【白】を引き入れる。
単騎テンパイにとれば打点は上がる。
以前の歌衣なら迷いなく単騎テンパイにとりそうなところだが。

歌衣は【白】をツモ切り。
そもそもリーチの咲乃のリーチに【2ピン】【4ピン】両方は打っていきにくく、巡目が深くなればオリも想定される場面。
【3ピン】でアガることができればもちろん良いが、大きなリスクを負う局面ではない。

神域リーグMVPの歌衣の選択が、冴え渡っている。

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