河野直也が選ぶ『Mリーガー究極の決断』〜鳴きの真髄〜小林剛編

実際この時山に残ってる枚数は【2マン】【5マン】【5マン】【8マン】共に4枚だったのだ。

小林は麻雀の質問をすると必ず細かく丁寧にわかりやすく話してくれるのだ。
だが、小林が難しかったと言うのだから微細中の微差だったのだろう。

ツモ山に先にいたのは【8マン】だった。
山に積まれてるのはランダムであり、【8マン】を引くか【2マン】を引くかは分からないとは言え、どちらの選択も小林の中ではあったのをどう捉えるか。

寿人から再度【3ソウ】が打たれ、これをチーしてテンパイ。

しかし、この時点で強者3人の仕掛けを読む精度も高く、小林の待ちが何かを推測すると、タンヤオのリャンメンならばソーズは【5ソウ】先に打って【3ソウ】チーなのでほぼない。
マンズは【5マン】【6マン】【7マン】でチーしていることから、【4マン】【5マン】【6マン】【7マン】【5マン】【6マン】【6マン】【7マン】とかじゃない限り違和感なく出てきそうな待ちは【2マン】【5マン】
ピンズは【3ピン】を切っているので【4ピン】【7ピン】【5ピン】【8ピン】
【3ピン】が早い分【2ピン】【5ピン】はかなり薄いので、なんと3パターンぐらいまで絞れてしまうのだ。

実際、松ヶ瀬と寿人は追いかける立場にいながらも【2マン】を切らないように進めている

寿人は降りを選択。
松ヶ瀬は【2マン】を切ればチートイツとメンツ手の両天秤に取れるのにも関わらず、【8ソウ】切りと【2マン】【5マン】が危険と理解していなければ出来ない繊細な打ちまわしである。

難しい判断の裏目がこの局の明暗を分けた。

終盤松ヶ瀬からリーチが入ると

なんとアガったのはトップ目の堀だった。
宣言牌の【6ソウ】は鳴かず、正しくはその時は【7ソウ】が孤立牌だったのP鳴ける形ではなかったのだが、【5ソウ】を引き入れリーチの現物を寿人が打ち、堀の2000点。

麻雀は選択の競技ということを改めて実感させられた1局だった。

その後小林、ビハインドで迎えたオーラス、1000.2000ツモで条件をクリアし、今シーズン2勝目となったのだが、試合後のツイートがこちら。

間違いなくアガリを逃したと思っているのはこの局だろうと筆者はビビビと来たのであった。

トップで終了した半荘でも反省点は探し、正解を追求するのを見ると、鳴きの精度、アガリへの道筋が高水準な小林の強さが良く分かるだろう。

さぁ2勝目。
ここからパイレーツの大黒柱としての主張を見せつけてくれるだろうと期待感しかないのは言うまでもない。

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