嵐は突然にやって来る…　鈴木優、苦難の航海【Mリーグ2023-24観戦記 9/25】担当記者 #徳岡明信

嵐は突然にやって来る…
鈴木優、苦難の航海

文・徳岡明信【月曜担当ライター】2023年９月25日

このポストを見て筆者は感じ取った。
この男、今日の登板は並々ならぬ気合が入っているな、と。

前回の登板時、勢いよくアガリを重ねたBEAST Japanextの菅原に必死に食らいつき、オーラスには逆転のテンパイまで辿り着いたが、

結果は惜しくも捲り切れず2着に終わった。

優は「超」負けず嫌いだ。
常にトップを狙う戦闘民族が手中に収めたトップが零れ落ちた時、どのような感情であったか容易に想像がつく。

「悔しい」を通りこして
「ぐやじぃぃぃいいい…」

と、なっていたのかは不明だが優が日を跨いでの連投にやって来た理由はただ一つ。

この「悔しさ」を晴らす為。

鈴木優、いざリベンジの航海へ

第1試合
東家：本田朋広　(TEAM　雷電)
南家：茅森早香　(セガサミーフェニックス)
西家：鈴木優　(U-NEXT Pirates)
北家：二階堂亜樹　(EX風林火山)

いざリベンジへ、上々の船出

「ツモ」

「3000/6000」

「7700は8300」

東1局、東3局2本場と、優の発声のみがスタジオに響く。

これがリベンジに燃える男の勢いか、キレッキレの高打点を2発アガりきり、優の持ち点は瞬く間に増えていく。

キレッキレなのはアガリだけでは無い。

東3局4本場の出来事であった。

亜樹のリーチ、親の優の仕掛けを受けている茅森が自風のをポン。
高めドラの満貫テンパイ。
両無筋のを切って押していく。

三者ともツモ切りが続く中、とある牌で優の手が止まる。

自身からが４枚見えでリャンメンには当たる事が無い
いわゆる「ノーチャンス」という状態にある。

しかし、は茅森のアガリ牌だ。

優自身はリャンメンでテンパイをしていて無筋のも押している。
一見リャンメンに当たらない牌であれば、親という事も込みでフワッと切ってしまいそうであるが。

優は盤面をよく見ながら小考する。

注目すべきは茅森が北のポンをした後に手出しした牌がったという事だ。

優から見て４枚目のが茅森の手から出てきたという事は、
手牌に関連していたの可能性が高い。
よくあるパターンはやのようなシャンポンとカンチャンをフォローしてした
形だ。

さらに、

茅森は無筋の手出し後、全てツモ切りである。
筋とはいえ、通っていないもノータイムでツモ切っている。
優目線で茅森がテンパイしている確率が高い。
そして、リーチに対して安全牌となる北を消費して前に出ている茅森がドラを複数枚所持している高い手の可能性も高い。