無邪気なタイタン
竹内元太
文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2024年11月25日
今年、新Mリーガーとしてセガサミーフェニックスから指名を受けた、竹内元太。
『無敵のタイタン』その通り名に相応しい、快進撃を続けている。
ここまで4着は無く、プラスポイントは100を超え。
新メンバーながら、絶好調フェニックスを支える1人と言って間違いないだろう。
いつか、私が同じ麻雀店で働かせてもらっていた時、聞いたことがあった。
「元太さんって休日なにしてるんですか?」
ふとした拍子に出た、他愛もない話題。
けれど答えは単純でいて、とても竹内らしいものだった。
「ん~……だいたい何かしながら、麻雀の牌譜見てるかな?」
この時、竹内元太という人間を形成する要素として、どれだけ『麻雀』が占める割合が大きいのかを知った。
麻雀にかける熱量、想い、その重さに、思わずこちらが息を呑んでしまうほど。
そして同時に、こういう人がこの世界で勝っていくのだな、と妙に納得感があったのも事実だった。
今宵も、麻雀に情熱を捧げ続ける男が、Mリーグの舞台で躍動する。
……あ、元太さん南家の席はそっちじゃないですよ。
11月25日 第1試合
東家 二階堂瑠美 (EX風林火山)
南家 竹内元太 (セガサミーフェニックス)
西家 伊達朱里紗 (KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家 瑞原明奈 (U-NEXT Pirates )
東1局
いきなり、竹内らしい選択が出る。
親番瑠美が早い巡目でオタ風西ポン、チーを受けて、竹内はこの手牌からを切って受け気味の進行を選択。
現状役こそ限定できないが、この形から当たり得る牌を切る価値が無いと判断。
竹内の強さは、このように全員との相対速度を測り、すぐに自分の手を見切ったり、踏み込んだりを選択できる強さだ。
終盤、を切ればテンパイを取れる形に辿り着くも
ここではテンパイを取らない。
が全て見えているわけでもなく、役牌のからの切り出しで、ホンイツと断定できない瑠美に対しても、更に粘っているように見える伊達に対しても危ないドラそばのは切らない選択。
そして最終手番にを引いて再びテンパイ。
これでテンパイを取り切った。
竹内の特徴は、読みで押せそうな牌であっても、リターンが見合わなければ押さない。
どんな状況にもレアケースはつきもの。特に今回のような瑠美のホンイツとも限らない仕掛けに対しては、リスクをとることをしなかった。
東1局1本場
竹内に勝負手が入る。
ホンイツに向かった伊達から出た、ドラのをポンして跳満のイーシャンテン。
、と引いてテンパイ。
ソーズのホンイツに向かった伊達、マンズのホンイツに向かった瑞原がいる都合上、この待ちは絶好といえる。
これを、瑞原から捉えた。
12000のアガリで幸先の良いスタート。
東2局
親番を迎えた竹内の選択も面白い。
この形で5巡目に上家の瑠美から放たれたをスルー。
ダブをポンしても現状ドラのを使えなければ2900にしかならず、それならばドラを使ったチートイツなどを見た方が良いと判断。