仲間のため、ファンのため―― 襲い掛かる逆境 それでもなお、丸山奏子は戦い続けた【Mリーグ2022-23観戦記1/9】担当記者:江嵜晋之介

ドラポンではあるが、瑞原は跳満ツモでも着順が変わらないため、3着狙い+素点回復のための鳴きに見える。

そして2巡後、瑞原が安牌の中を切ったタイミングで丸山はツモ切りリーチを敢行した。

巡目が経ちすぎて手替わりを待っていられなくなったこと、瑞原がテンパイしたと思ったため、瑞原が次に打つかもしれない【3マン】【4マン】をとらえられるようにリーチに踏み切ったと試合後のインタビューで語っていた。

実際、瑞原はこの時点でノーテンだったため、待ちの【4マン】が山に一枚残っていた丸山の方がまだ有利だったと言える。

しかし、同巡瑞原は【6ピン】を引き現物の【4ピン】を切ってテンパイ。

次巡、ペン【3ピン】をツモり満貫をアガる。

最後まで着順アップを諦めなかった丸山の健闘も届かず、第一試合は松ヶ瀬トップ・丸山4着で終局となった。

試合後のインタビューで試合を振り返りながら、丸山の目には涙が滲んでいた。

レギュラーシーズン敗退の危機、なんとしてもトップが欲しい状況でのまさかのラス。

今回の丸山の戦いを見て、文句を言うドリブンズサポーターはいないだろう。しかしそんなサポーターを想うからこそ、込み上げてくる想いが丸山にはあったのかもしれない。

今のチームを表しているような辛い展開が続いても、丸山は決して諦めなかった。

麻雀はその努力が必ずしも報われるゲームではないが、その諦めない姿勢が見ている人の心を動かすこともまた事実だ。

応援してくれるサポーターのために
また来年もこのメンバーで戦うために――

長かったレギュラーシーズンも、残り半分を切っている。
ドリブンズの誇りをかけた戦いが、始まろうとしている。

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