それでも堀慎吾なら、
堀慎吾なら
きっとなんとかしてくれる…!
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2025年3月3日
3月3日 第2試合
東家:瀬戸熊直樹(TEAM雷電)
南家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘格闘クラブ)
西家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
窮地に立たされたサクラナイツだったが、堀慎吾が望みを繋いだ。

初戦の渋川が痛恨のラスを引き、連続のラスは許されない立場に追い込まれたサクラナイツ。そんな逆境にも屈しないチームのエースが、チーム13戦ぶりとなるトップを獲得した。
ターニングポイントとなったのは南1局。

ここまで早い試合展開が続いていた。
堀はトップ目ではあるものの、34,200点とまだまだ心もとないので、残り4局のうち1回は加点が欲しい。
そして残り13戦で約270ポイント差を逆転する必要があるサクラナイツは、トップの可能性がある試合の取りこぼしは許されない状況にある。
堀の配牌は

が暗刻で2メンツできている好配牌だ。
4巡目には絶好のを引き、678の三色が狙えるイーシャンテンに。

そこに親番の瀬戸熊からリーチがかかる。

リーチ・赤1のカン待ち。
瀬戸熊のリーチをかける前の手牌はこうなっている。

と
のくっつきテンパイの形から、あまり嬉しくない形でのテンパイ。
解説の仲林プロも話していた通り、この形ならテンパイを取らない選択肢もあり得る。
テンパイを取らないとすれば、打が面白い。
と
のくっつきテンパイに取り直す一手で、6mへのくっつきは愚形の場合でも一盃口か三色がついて打点が確保されるし、4sへのくっつきはドラが
なので
引きの愚形テンパイも悪くはない。
仮に裏目のを引いたとしても、
のフリテンリーチが打てるので、そこまで痛手ではないだろう。
ここからも様々な変化のある手だが、先制リーチにこだわった瀬戸熊。
理由は他家のスピード感にある。

対面の堀が、1打目東から→
→
とマンズ・ピンズの真ん中の牌が余り出している。字牌が
以外河に切られており、1打目も
なのでソーズのホンイツではないとすると、好形もしくは打点が見込めるイーシャンテンが入っていてもおかしくない。
また同じく下家の滝沢も→
と役牌から先に切っており
・
など真ん中の牌が余っているので堀と同じことが言える。
テンパイを外している間、子に伸び伸びと打たせるよりも、先制リーチをかけ手を曲げさせて、その間にツモを狙う作戦だ。
が山に残っているかどうかは運次第だったが、なんとリーチ時には4枚全てが山に残ってた。
実際このとき

堀は先述の通り打点が見込めるイーシャンテン

滝沢は押し返せるリャンシャンテン

多井は打点こそ見えないものもののイーシャンテンと、全員に手が入っていた。
先制リーチを受けた堀だが、1発目に引いたをプッシュ。

次巡、再びをツモ切り

そして次巡、無筋のを引いて手が止まる。

加点が欲しくはあるが、この3巡で少し状況が変わった。

堀がツモ切った3枚のと、
が3枚見えたことで、マンズが分断されマンズ待ちの可能性が下がり、その分他の色の危険度がやや高まっている。
そして、下家の多井の河を見てみると

1枚切れだった自風のをトイツ落とししている。