仲間のため、ファンのため―― 襲い掛かる逆境 それでもなお、丸山奏子は戦い続けた【Mリーグ2022-23観戦記1/9】担当記者:江嵜晋之介

四暗刻イーシャンテンだった丸山だが、親リーチが飛んできたら待っていられない。ツモれば三暗刻がつき満貫。出アガリでも自風の【北】なら5200点だ。

丸山の目からドラも赤も一枚も見えておらず、親リーチへの恐怖は凄まじいに違いない。しかしドリブンズに今必要なのはトップ。ここは玉砕覚悟で押していく。

無筋の【4ピン】

ダブルワンチャンスの【4マン】

丸山が明確に押しており、松ヶ瀬のツモに力が入る。

結果は両者痛み分けの流局。

四暗刻が成就するかもしれない展開に、大きな盛り上がりを見せた局だったが、丸山には実況席も触れていなかったとある選択があった。

この選択について、丸山と村上はYoutubeチャンネル「ずんまるちゃんねる」にて議論を交わしていた。

参考URL:https://www.youtube.com/watch?v=eIvq0NdUAzk

その選択とは、丸山の3巡目の【1ピン】ツモ切りだ。

丸山は打【1ピン】としたが、現状既に6ブロックあり、仮に一つ暗刻ができたとしても直ぐにどちらかのカンチャンを払っていく選択になりそう。

そのためドリブンズの他メンバーは打【1ピン】のタイミングでカンチャン払いを推奨しているという。
たろうはリャンメン変化が多い打【8マン】、村上はトイツ手になった時の重なりやすさを重視して打【4ソウ】【6ソウ】とのことだ。

結果論ではあるが、ここで打【8マン】としていると6巡目にカン【2ピン】が埋まりカン【5ソウ】【8ピン】【北】のイーシャンテンに。

次巡、【8ピン】を引きテンパイ。
役無しカンチャンなので一旦ダマテンに構えそうだ。

そして更に次巡、【6ソウ】を引き入れ【6ソウ】【北】のシャンポン待ちに変化。

こうなると松ヶ瀬のリーチ宣言牌【2ピン】をポンすることはなく

11巡目瑞原に訪れた北を丸山がツモり、アガりとなっていた可能性がある。

もちろん、道中の選択が違えば他家の打牌も変わっていた可能性があるため結果論に過ぎない。

丸山が打【1ピン】とした理由はトイツ手に比重を置いたからと話しており、確かにトイツ手だけを狙うとなれば、場に1枚切れており枚数が少ない【1ピン】も納得がいく。

しかし、この選択が松ヶ瀬の大連荘を止める最後のチャンスだった。

東4局1本場、松ヶ瀬は5巡目リーチから力強く4,000オールをツモアガる。

続く2本場でも3面張リーチからの4,000オール。

次局はリーチ合戦の後、瑞原へ満貫の放銃となってしまうも南1局に入った時には2着と13,900点差をつけたトップ目に立っていた。

対してツラい展開となった丸山。
他家が高打点の応酬を続ける中、一人だけアガりがないままオーラスに突入。

2着の東条は跳満ツモでも逆転できないが、3着瑞原とは500点差なのでなんとか3着に滑り込みたいところ。

南4局、丸山に、チャンスではあるものの難しい手が入る。

3巡目にしてテンパイではあるが、役無しの【3マン】【4マン】シャンポン待ち。
打つ牌が5pなので、【3マン】【4マン】を一枚外してくっつきテンパイを狙う手もある。

丸山の選択は……

【5ピン】、ヤミテンだった。

【3マン】【4マン】を引ければ着順アップが確定し、仮に【5ピン】周りでターツができたとしてもカンチャンになれば待ちの枚数は4枚と変わりない。

そして【2マン】【5マン】を引けば平和【2マン】【5マン】待ちへと変化し、ヤミテンで条件を満たすことができる。

巡目が早いだけに様々な選択がありそうだが、クラブハウスLIVE中継を行っていたドリブンズの楽屋でも全員が同意見だったようだ。

しかし…
丸山を、ドリブンズをあざ笑うかのようなツモが待っていた。

アガり牌どころか、マンズを一枚も引かないまま、ただただ巡目だけが過ぎっていく。
【5ピン】の後にはすぐ【4ピン】を引き、その後【6ピン】までも河に並んでいた。

10巡目、3着の瑞原がドラの【發】をポン。

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