滝沢和典 進化する王道が行きついたその境地は、”鵺の麻雀師”【Mリーグ2023-24観戦記 12/19】担当記者 渡邉浩史郎

これに対応したのが瑠美、ラス目でイーシャンテンの形だが、生牌の字牌2枚を抱えて【8マン】【9マン】の先打ちとした。
門前リーチ指向で手組は守備寄りの滝沢がホンイツ仕掛けをしたからこそ、他に鳴ける算段がある→字牌対子を持っていることが多そうという感覚的な部分もあるだろうか。

マンズホンイツを狙っていたたろうも少し対応気味の【2マン】

全員が滝沢に踊らされる局になったかと思われたが……

東城が追い付いてのリーチ!

このリーチに押しているように見えるのは【4マン】を切ってきたたろう。滝沢は安全牌の連打で意外と遠い仕掛けだったのかと思いきや……

突然の【9マン】プッシュはまさかのマンガン聴牌!

おまけに待ちは二巡前に鳴いていない現物の【7マン】待ち。瞬間の放銃が危ぶまれるところだ。

しかし和了りにはならず、流局。聴牌系だけ見れば周りも仕掛けも納得だが、実際はドラの【中】が一枚もないところからの仕掛けである。

声はすれども姿は見えず、消えたと思えば現れる。

その姿はまさに書に語られる鵺そのものである。

【南3局2本場】もリーチが実ってマンガンの加点に成功した滝沢。

【南4局】

オーラス、ラス目の瑠美からのリーチを受けて二着目親番の滝沢。
聴牌のカン【4マン】はひっそりと【5ピン】を縦に置いた。

普通リーチ率3割を超える人であれば、この手は追っかけリーチをしなかったことがないであろう。
やはりというべきか、これが本来の滝沢のバランス。

しかしそれが……

皮肉にも、東城に捲られる敗着となってしまった。

今期の滝沢の麻雀。基本はリーチ主体の門前ファイターだが、その裏ではかつての滝沢を思い出される選択を筆頭に、種々折々の雀風が入り乱れる、正にキメラ的”鵺の麻雀”とでもいうべきものではないだろうか。

Mリーグも6年目中盤。初年度から比べると個々人の麻雀の内容も大きく変わってきている。
いよいよ人読みのメタがどんどん回り始める時期に来たのかもしれない。

(EDのこの歌詞にこのカット当てるの色々とエモくて好きです。)

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