熱論!Mリーグ【Mon】
軍師・勝又の号砲を合図に
武田軍、ついに侵略開始!
文・花崎圭司【月曜担当ライター】2019年1月7日
新年あけましておめでとうございます。
2019年もMリーグの観戦コラムをごひいきのほど、よろしくお願いいたします。
2018年12月21日から16日間のウインターブレイクがあって、2019年1月7日からMリーグが再開。プレーオフを見据えた戦いがいよいよ始まります。
このウインターブレイクで「Mリーグ・ロス」になってしまうという反応がたくさんありました。生放送で週4で麻雀のリーグ戦を見ることができるというのは初めてのこと。家に帰って、Mリーグを見ながらごはんを食べるのが楽しみだ、という人もかなりいると思います。
それぐらいMリーグ・フリークの人はおそらく、AbemaTVで新春1月2日の夜から生放送された
「新春オールスター麻雀大会2019」を楽しまれたのではないでしょうか。
16人の芸能人の方がペアになって8チームに分かれ、さらにそのチームごとに1名Mリーガーを加えた3名で「24時間」戦うという番組です。
Mリーグのインタビュアーとして人気も高い松本圭世さんや、「熱闘!Mリーグ」のコーナー“じゃいの目”でもおなじみ、インスタントジョンソンのじゃいさんなどなど、麻雀好き、雀豪たちが集まって戦いました。
新春という名前があるとおり、和やかな麻雀大会になる……と思いきやそうはなりませんでした。
「24時間麻雀をする」
それだけでとても大きな柱となる。
そのことをまざまざと見せつけられました。
優勝を決める最終戦。24時間戦い、その決勝卓に進むことができたら、それは勝ちたくなるのは当たり前です。
その決勝卓、最終戦の南4局。それぞれ自分の勝利条件を確認します。一番状況が厳しいのは、平成ノブシコブシ・徳井健太さんと水崎綾女さん、滝沢和典プロのチーム。三倍満以上をツモ、もしくはトップ目に直撃すれば優勝です。
これは平たく言えば、「まあ、無理だよね」、ということです。三倍満以上なんて普段アガることなんて滅多にないし、それがこの最後の最後でできるわけないです。
でも、その条件ができてしまったのです。
最後の戦いに挑んだ水崎綾女さん。この24時間の間、彼女は気っぷのいい、とても魅力的で格好いい麻雀を見せてくれました。
その水崎さんの17巡目
四暗刻単騎をテンパイしたのです
冷静の中に温かみのある解説される勝又健志プロも「えっ?! えっ!?」と興奮されていました。
四暗刻単騎、いわゆる“スッタン”はロンでアガれる四暗刻です。同じ四暗刻でも、シャンポン待ちのタイプなら悩むことはありません。
でもスッタンは「天国」と「地獄」の2択です。アガり逃しはしたくない。しかもどちらがアガり牌で、かたやもう一方は放銃してしまう牌、という場合もあります。
この選択を、24時間戦ってきた最終戦の南4局で迫られるのです。
24時間という積み重ねが、この2択にのしかかっています。
ここまで「強気」という言葉がぴったりの攻めをみせてきた水崎さんが、涙をこらえながら考えます。
「どうしよう」
水崎さんは声を漏らします。本来なら大チャンス。失敗しても誰もとがめることはありません。でも、どうしよう、と思ってしまうのです。
2択の重み。24時間の重み。仲間の重み。
水崎さんはを切りました。
山にあったは他家に行き、海底ツモが回ってきます。それはでした。しかもそれは自分の河に捨てている牌でした。そんな可能性、拾えるわけがありません。でもそれを見せつけるなんて、神様は意地悪すぎます。
このまま流局し、優勝したのは、じゃいさん、百合沙さん、そして佐々木寿人プロチームでした。
麻雀の力ってすごいです。
これからもっと、Mリーグの濃度は濃くなるはずです。
そこで生まれる麻雀がどんなものなのか、楽しみです。
――と、なんだかコラムが終わってしまいそうですが、Mリーグです。
1月7日第49節の第1回戦。
先の「新春オールスター麻雀大会2019」で優勝したヒサト(佐々木寿人)プロがまずはポンと抜け出します。
その後、茅森早香プロが何回もテンパイを入れるが成就せず、二階堂亜樹プロも守勢に回らされ、黒沢咲プロはいままであまり見せなかった鳴きを入れてアガりに向かいますが、ヒサトプロが南場の親番でダマテンで満貫、リーチで倍満であっという間に8万点オーバー。
第1回戦を終えて+101.7ptの大トップを取ります。
「よしよし! よく粘ってくださいました!」
勝又健志プロはきっとそう思っただろう。
EX風林火山のチームメイト、亜樹プロは2着だが、-8.9とマイナスポイント。それでも苦しみ我慢して2着の順位点を取れたことは大きい。
解説の多井隆晴プロもおっしゃっていましたが、EX風林火山のチームカラーは「赤」。赤といえば女の子の色というイメージもありますが、スーパー戦隊シリーズでは「赤」はヒーローの色です。
二階堂亜樹プロ、滝沢和典プロはプロ雀士とか関係なく、ニュートラルに見ても美女美男です。
勝又プロは男前という外見の前に、「麻雀IQ220」というキャッチコピー通り、「先生」「軍師」というインテリの雰囲気が先に出てしまっています。
最近はカワウソやアザラシといった“海獣”系、Mリーグが始まると若干マスコット、ゆるキャラ扱いされがちで、キャッチコピー「IQ220」はどこにいってしまったのか、という感じになっています。