大介の手牌。引いてテンパイである。
四連形もありテンパイ外しも有力ではあったが、ラス目の立場という心理状況も加味した大介の判断はリーチ。
そして
宣言牌は河の情報が極力出ないように。
萩原がリーチしていた場合、が通っているので恐らくには手が掛からなかっただろう。
情熱の中にも光る冷静な、でも熱い気持ちの籠った13枚の牌が静かに倒されると同時に、“トップ”という一足早いクリスマスプレゼントを本田・チーム・サポーターのユニバースに、そして何と言っても自分自身に届けたのであった。
今シーズンの萩原は封印していただろう多くの引き出しを見せている。それはテーマである“脱力麻雀”から来るものなのかは分からないが、過去シーズンとは違う顔があるのは明らかだ。
セミファイナルに残り、そしてファイナルへ。
去年の忘れ物を取りに行く為にはこの漢の覚醒が必要と言っても過言ではないだろう。2024年の萩原聖人の新たな一面にも注目していきたい。
◆Mリーグファン・観戦記ご覧の皆様へ
定期的ではありましたが、今期からご縁がありましてMリーグの観戦記を担当。拙い所もあったと思いますが、お付き合い頂きまして誠にありがとうございました。
まだまだ他の方には及びませんが、皆さんに麻雀の面白さ・Mリーグの良さ等を伝える記事が書けるようにこれからも精進してまいりますので、引き続き来年度も宜しくお願い致します。
そして、良いお年をお迎えください。
日本プロ麻雀連盟
小林正和