攻めて良し守って良し、期待に応える天才の名は堀慎吾【Mリーグ2023-24観戦記 3/4】担当記者 #江崎しんのすけ

役ありを継続するには【8ソウ】を切る必要があるが、堀は隙を見せない。
直前に通った【4ソウ】を切りカン【5ソウ】待ちリーチをかける!

【8ソウ】は滝沢・太どちらにも通っていないため切れない。
そうなるとカン【5ソウ】【4ソウ】【6ソウ】のシャンポンを選択することになるが、ポイントは直前に滝沢が手出しした【4ソウ】

先ほどの読みの通り、滝沢は数巡前から既にテンパイしているはずで、テンパイしているところから何かと【4ソウ】を入れ替えたことになる。一番あり得そうなのが【4ソウ】【6ソウ】のカン【5ソウ】テンパイから【7ソウ】を引いた【5ソウ】【8ソウ】待ちへの変化だろう。
【2ソウ】【4ソウ】から【2ソウ】を引いてシャンポン待ちになったケースもあるが、その場合3枚切れのカン【3ソウ】待ちで北を加槓したことになり違和感がある)

実際は堀の当たり牌だった【7ソウ】を引き、スライドで打ち出された【4ソウ】だった。この滝沢の【7ソウ】止めもまた見事だ。

そうなると【5ソウ】【8ソウ】が切れないのは当然のこと、滝沢は【5ソウ】を持っておらず、逆に【6ソウ】は持っていることになるのでカン【5ソウ】の方が待ちとして若干有利になるのだ。

この局も結果は流局。
4人テンパイでの流局で、しかも全員が純カラという非常に珍しい結末となった。
加点とまではいかなかったものの、1つ間違えれば親への放銃になっていた局面だったため、堀の選択が戦況を変えたと言えるだろう。

堀は直近3連続ラスとかなり厳しい展開に見舞われていた。

名実ともにトップクラスの実力を誇る堀でも、選択の余地なく負けてしまう、麻雀とはときに理不尽なゲームだ。

どんな名人でも勝利への道筋がなく負けてしまうことは、このゲームでは多々起きる。

しかしほんの僅かでも、勝利への道筋があるのなら、堀慎吾は決して見逃さない__

堀慎吾はそう思わせるほどに、麻雀で人々を魅了する天才なのだ。

 

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