河を見てみると、堀の攻めもあり通っている牌の種類が多い。
滝沢のリーチをリャンメン待ちと仮定した場合、残っているのは3パターンしかない。
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3パターンしか残っていないのに、はその内2パターンに当たり得る牌。しかも・はワンチャンスなので比較的濃淡が薄いことを考えると、一番危険度が高いのはだろう。
体感的には60%以上ロンと言われそうな。
堀にツモは残っていないため、テンパイを取るならばここでを勝負するしかなく、通ったとしてアガるチャンスは滝沢のツモ番1回だけ。
堀はの危険度を充分に理解した上で、自身の手の価値が高く見合った勝負になると踏んで勝負に出たのだ。
堀がアガる場合、滝沢の河底を捉えることになるが、リーチ・一発・平和・河底・ドラ2の18,000点が確定し、リターンが非常に大きい。
そして待ちのが山にいると読んでいた。
太は1巡目にを切っているためは持っておらず、大介もタンヤオ仕掛けをしているので持っている可能性は低い。
2人は滝沢のリーチ直後からベタオリをしていたため、道中でを引いた可能性ももちろんあるが、もし道中で引いたとするなら滝沢の現物になった13巡目に合わせて切っていそうだ。
滝沢のリーチに対して堀が押し返しているのは明白なので、仮に太・大介の2人がその時点でを持っていたなら、堀に100%当たらないその場で処理するはず。
堀の読みは正しく、は山に3枚残っていた。
残りの山の枚数は王牌含め16枚。約5分の1の確率でアガリをものにすることができる。
は全て王牌にあり、結果は流局。
アガリにこそ繋がらなかったものの、このテンパイ取りが無ければその後の大連荘も生まれていないことになる。
もちろん堀はの危険度を充分に理解している。
しかし麻雀の押し引きで大事なのはリスクとリターンの比較。そして勝機を決して見失わない堀は、その鋭い攻めでこれまでもチームに結果をもたらしてきた。
また堀はこの試合で、鋭い攻めだけでなく守備力の高さも遺憾なく発揮していた。
東2局、太の親番。
10巡目に北家の滝沢が仕掛けを入れる。
自風のをポンして待ちのテンパイ。
鳴く前はカンのヤミテンに構えており引きの好形変化やソーズを引いてのイーシャンテン戻しを狙っていたが、切られたを素直にポンして太の親番を流しにかかる。
その直後、太にもテンパイが入る。
待ちの平和・一盃口・赤ドラ。
リーチをかけずとも12,000点が確定している勝負手。太は気配を消してダマテンに構える。
その直後…
堀が引いたのは。
ヤミテンが入った直後に当たり牌を引いてくるなんともツイていない展開。
自己都合だけなら・と落としたい手なので、太のヤミテンに飛び込むかと思われたが、堀はなんとここでを選択。
相手の当たり牌をピンポイントで止める、いわゆるビタ止めとなったこの選択に、SNS上では感嘆の声が多く上がっていた。
ただ恐らくこの選択は、太のヤミテンをケアした訳ではなく仕掛けを入れた滝沢をケアした結果だと思われる。
ラス目で遠い仕掛けの少ない滝沢が仕掛けてきたということはテンパイ、少なくともイーシャンテンになっていると読むべきだろう。
滝沢はをポンして打としている。
麻雀のセオリーとして、ポンして出てきた牌の周りが雀頭になっていることが多く、今回でいえばやが雀頭の可能性が高い。は既に2枚切れているのでが第一候補になる。
雀頭がマンズの真ん中だと、その周りでリャンメンはできにくいためは無筋だが比較的通しやすい。
また、テンパイか分からないが滝沢の仕掛けに対してを切ってきた太に対しても、は中筋になっておりは滝沢がを複数枚持っていると考えればやや通しやすい。なによりが無いのであればカン受けは外したい。
滝沢の仕掛け、自身の攻め返しを考えた上での選択と思われるが、結果として太への12,000点放銃を回避する。
その後、滝沢がを加槓。これで間違いなくテンパイだろう。
その滝沢に対して太はを押す。
気配を消していた太だが、この押しで他家の警戒が高まる。
直後、堀がを引きテンパイ。ワンチャンスのを打ちカンの一盃口待ちを選択。当たり牌のを使い切る。
…かと思われたが
更に次巡、再びを引く。
を切れば放銃となり、を切れば・待ちだがフリテンだ。