たくさんアガればわかる
小林剛の麻雀必勝法
文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年10月31日
第2回戦

東家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:二階堂瑠美(EX風林火山)
西家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
北家:小林剛(U-NEXT Pirates)

「連闘する気持ちで来ています」そう試合前に静かに闘志を燃やしていた瑠美選手。
初の連闘チャレンジに周囲の期待も高まりましたが

三色や良形への手変わり待ったダマテンから、小林選手のリーチに対して簡単には降りる気なしの構えで残り無筋の本数を数えながら押していくゲームをスタートすると

まず一筋目と切った2枚切れのが即逮捕。
しかも裏裏と、出だしから躓いてしまいました。

一方、無筋を飄々と押すもあまり捕まらない男・渡辺太。
前回の試合でMリーグ初めてのラスを引くも、良い経験でしたと一切気にせず。
今日も今日とて無筋を押していきます。

ドラ赤を内蔵した形もかなり整った配牌の太選手。

この手なら役牌の価値はそこまで高くないので、他家が重ねる前にと切っていきます。

数巡後、あまり嬉しくないの重なり。
みたいなツモが来た時には雀頭として活躍するので渋々残しますが、将来的にはリストラ候補筆頭です。

この局の主役は自分と思い真っ直ぐに手を進めるも、足踏みしたまま6巡目に親リーチを受けてしまった太選手。手持ちの現物はゼロ。
主役が別にいたことを悟り、捨て牌から情報を探して新しい道を目指すことにしました。

3から7の数牌はシュンツに組み込まれるパターンが多くて便利な牌です。
特に尖張牌と呼ばれる3や7の牌は、そこからターツができれば端に掛かった強いリャンメンになるので、4から6の牌よりも重宝されます。
そんな価値の高い尖張牌が先に切られたと並んだ捨て牌からは、メンツ系の手ならイーシャンテンの段階で残されたターツに不満が無かったということを想起させます。
そしてリーチ宣言牌のは瑠美選手自身も切っている2枚切れの牌で、トイツ系の手にはあまり見えません。
このリーチは親につき足止めといった類のものではなく、充分満足のいく形になっているように見えました。

ここは渋々採用していたの出番です。

脅威を感じた他家も全力での撤退を開始。
一人のリーチに全員が降りると安全牌を増やす人がリーチ者だけになってしまうので、手詰まりやすくなってしまいます。
ここからは安全牌が増えることを祈る、そんな時間が続くのかと思っていましたが

上家から出たを見て、太選手の動きが止まります。
普通のなら安全牌が増えたと喜んでいたところ

満貫が見えたならばと、索子を喰い伸ばして切り。
タンヤオドラ赤赤で反撃に出ました。

すぐに追い込まれる太選手でしたが、これは自ら踏み込んだ危険地帯。
現物は1枚ありましたが、ここで
を選ぶくらいなら最初っからチーなんてしていません。
仕掛けなくても手詰まる可能性は元々あり、どうせ1種類は無筋を勝負することになっていたでしょうと

を切りました。
ここでや
といった萬子切りを選択していると
アガリまでに萬子のもう一筋かや
といった新しい無筋を通す必要が出てきてしまいます。
苦しい形ですが筒子なら他の無筋を通さずに
このようなゴールまで辿り着く未来もあります。
薄い可能性ですが成功した時には大きなリターンのあるパターンを残し、前向きな無筋開拓の道を選択。
と
の選択の差は、
先切りの
や変則好形での
待ちよりも、手役が絡んだカン
や変則好形での
待ちのほうがありそうといった判断でした。