攻めか、守りか＿＿ #白鳥翔が選んだ、オーラスの一打【Mリーグ2024-25観戦記 12/2 第2試合】担当記者 #江崎しんのすけ

攻めか、守りか＿＿
白鳥翔が選んだ
オーラスの一打

文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2024年12月2日

第2試合

東家：二階堂瑠美(EX風林火山)
南家：醍醐大(セガサミーフェニックス)
西家：菅原千瑛(BEAST X)
北家：白鳥翔(渋谷ABEMAS)

オーラス、親番の白鳥は選択を迫られていた。

自身は3副露して・ホンイツ・トイトイの満貫をテンパイしている。

白鳥はオーラスをトップ目で迎えているものの、その点数は32,700点で、2着目の瑠美とは1,200点しか離れておらず、3着目の菅原も25,600点の7,100点差と1,300-2,600点のツモで逆転する位置に付けている。

親番なので、仮にアガったとしてもゲームが終了することはないが、この手をアガることができればトップの可能性は高い。

この局、白鳥の手牌は様々な分岐があった。

配牌。
ピンズのホンイツ、もしくは一通を狙いつつ進行する。

→とツモる。ホンイツ1本の進行ではなく、チートイツや白を鳴いての1,500点も見つつ進める。

を鳴いて1,500点をアガったとしても、一見状況は何も変わらないように見えるが、瑠美との点差が2,700点になり、点差が2,000点以上になることがポイントだ。

3着の菅原は満貫クラスの手を作る必要があるが、今の白鳥と瑠美の点差は1,200点。もし菅原が満貫をツモると、白鳥は親被りで瑠美にも逆転されて3着になってしまう。

これが2,000点差以上になると、菅原が満貫をツモったとしても瑠美には逆転されず、自身が放銃しなければ2着以上になる可能性が高くなるのだ。

が重なりチートイツの1シャンテンに

菅原が切ったをポンして打。
ホンイツに照準を絞る。

すぐに出たをポン。

そしてすぐ切られたもポン。

打としてのカンのテンパイに取る。

打とすれば、単騎にも取ることができる。

待ちの見た目枚数はどちらも3枚で変わらないが、単騎のメリットはあとから待ちを状況に応じて変えることができる点だ。

・を引けばノベタン・亜リャンメンに変化させることもできるし、他家からリーチが入ったらピンズでは無い危険な牌の単騎に取ることでテンパイを維持できるかもしれない。

対してカンのメリットは打点で、単騎だと7,700点だがカンは赤でアガれば12,000点。そして

・を引いてのトイトイ変化がある。
を引き・待ちになる。

・は山に2枚残っていた。

しかし、そこに立ちはだかったのが菅原。
白鳥に危険なを勝負してリーチをかける。

菅原の逆転条件は1,300-2,600点のツモか8,000点の出アガリ、もしくは白鳥からの3,900点以上の直撃だ。

直後、白鳥が引いたのが。

冒頭のシーンとなる。

白鳥が、長考の海に沈む。

白鳥から見た河がこうなっている。

まず、菅原のリーチにリャンメンで当たるパターンはどのくらい残っているのか。

現物だけを除けば、マンズは、、、。ピンズは、、。ソーズは、、、と全部で10パターンある。

こう見ると、がリャンメンで当たる可能性は10分の1なのでそこまで危険には見えない。