(写真左から)越山剛監督、村上淳、丸山奏子、園田賢、鈴木たろう
たろう 一時は3位くらいまでいって、いけそうだとは思っていたのですが、思った以上にポイントが伸びませんでした。なんとかなるかなと思いつつ、結局ダラダラいってしまったので、来期以降、何か修正点があれば探して、何とかしたいと思っています。
過去のシーズンよりも手応えはあったつもりでしたけど、結果がついてきませんでした。ドリブンズのチームカラー上、結果を残さないとしょうがないところがあります。あとはファイナルを見ていても、そこにいない悔しさとかを感じたので、来期こそは必ず、セミファイナル・ファイナルに行きたいと思っています。
園田 そんなに悪くはないんですけど、勝負どころでまくられてしまうとか、勝負どころで手が入らないという展開が多かったなという気がします。
(インタビューについて)僕は麻雀をドライに考えていて、正しくないことはあまり言いたくないんですよね。「相手が強かったです」ではなく、麻雀は運の要素がすごくあって、相手が失敗してトップを取ったこともありますし、統計学的にそう捉えている部分があります。「負けました、自分が弱かったです」といっても、弱かったから負けたわけじゃない、この1対3のめくりあいで負けたから負けただけ、みたいなところがあって、でもそういうのをしゃべるのはエンタメ向きじゃないなと思っていて、じゃあどうしようかと思ったら、ただ単に麻雀のことをたくさんしゃべる、それしかできることはないなと。僕は麻雀で「必ず勝ちます」っていうのは嘘だと思うし、そういうことに対する自分の中での一つのアンサーとして、ただ麻雀のことを語り続ける、となったのがああいう感じになりました。
丸山 シーズンが始まる前に自分の立てた目標が、1年目2年目がマイナス100くらいの結果でレギュラーシーズンを終えていたので、せめてプラスで終えること、小さな目標かもしれませんけど、自分の中ではそこを目指して1年間やってきました。まずはそこが達成できたのはうれしい部分ではありますけど、セミファイナル・ファイナルと他のチームが試合をしているのを家で見たりして、そこにドリブンズがいないのはすごくさみしいな、悲しいな、悔しいな、という思いがあったので、来年こそはファイナルまで行きたいという思いでいっぱいになりました。
今シーズンは気持ちの面でも「試合が来るのが楽しみ」という思いがすごく強くあったシーズンでした。毎試合楽しい気持ちで「今日も頑張るぞ、トップ取るぞ」と前向きに試合と向き合えていたのは、今までのシーズンと大きな差があると実感しています。あとは麻雀の内容も、まだまだ未熟な部分はありますけれども、前に見えていなかった部分、気づけていなかった部分に気づけることが増えたので、そこは自分の自信につながっています。
村上 とにかく悔しい1年でした。最初の7試合くらいで400以上負けちゃって、もちろん取り戻さなきゃと、まあ普通に打つしかないんですけど、このマイナスがたたってドリブンズがセミファイナルに行けなかったら嫌だな、と思っていたら、その通りになってしまいました。とにかく悔しいし情けないし、ファンの方にもチームメートにも関係者にも、本当にすみません、という1年でした。
始まる前に「MVP取ります」くらいのことを言ってしまったが故に、いきなり4回トンだのかなと。そういう傲慢な発言はよくないと思うんですけど、ただもうそのくらいやらないと来年、先ほどたろうさんもおっしゃっていましたけど、ウチは勝つこと、麻雀の内容がファンサービスということを1年目から言っているので、内容が良くてもマイナスということもありますけど、麻雀で勝たないと認められないチームなのかなと、イコール勝つしかない、そのくらいに思っています。ただ園田さんと同じ派閥なので、そう思っても勝つものじゃないよね、とも思っていますけど、こういう取材で言うなら「勝ちます」と言うしかありません。勝ちたいです、死ぬほど。
-来期の構想や今期の振り返りは。
越山 今期は選手が言ったとおり残念な結果です。ただ、やるべき努力をしなかったとか、発揮できるはずの能力を発揮できなくて負けた、とも思えません。とは言え、麻雀のゲーム性みたいなところに逃げていてもいいのかというのもジレンマとしてはありますし、難しいですね。今年も改めて、麻雀は難しいなと気付かされたシーズンだったな、と思います。
監督ができるのはどの選手を送り出すかだけしかなく、みんな勝ってくれる、勝ってくれと思って出していて、それは他の3人もきっとそういうふうに思っていますが、そうはならなかったりするので、そういうことを受け入れながらやるしかありません。選手たちがどう思ってくれているかとかも含め、お互いの意思が合致して初めて契約できるので、それはこれからなのですが、基本的には来期もこの4人で迎えると思っています。できるはずのことができなくなるようなことにはならないでほしいなと思いますし、丸山も、丸山以外の3人にも、この麻雀という競技で、これだけのトップ選手に伸び代があるのかは分からないですけど、できなかったことができるようになるのか、その先で今年届かなかった結果、優勝に届くといいなと思っています。
-まだ2回優勝したチームはなく、どこよりも早い2回目の優勝を目指していく。
たろう ファイナルのチームを見たときに、滝沢(和典)選手だけは2回目の優勝のチャンスがあって、タッキー(滝沢)は好きなので勝ったらうれしいんですけど、実は他のチームの優勝がいいかな、というのはちょっとありました(笑)。最初の2度目の優勝は、絶対にドリブンズが獲りたい、という気持ちは本当に強いです。Mリーグ発足時は、ドリブンズはめちゃくちゃ強いチームだと思われていたと思いますけど、今はそういう見方が薄れてきていると感じているので、やっぱり強いんだと再び思ってもらえるように、そして気付いていない人にもそう思ってもらえるように、来期は必ず勝ちたいと思っています。
(文中敬称略)
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さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。