そして、もう一人。
この日に並々ならぬ思いを募らせてきた与那城葵。
久々に舞い戻ってきた最強戦の舞台で、大粒の涙を流しながら語った。
「自分の中の勝負手がことごとく和了れなかった。数少ないチャンスの中で、本当に大きな舞台だったので絶対に勝ちたいという気持ちが前に出過ぎていた。ただ、打点を作って手をぶつけていくということは出来た。しかし、めっちゃ悔しい。」
内田、与那城ともに、東場で喫した失点を挽回するには至らず。
それぞれに存在感を残して、ここに散った。
華々しいイメージがある女流プロ。
しかし、それぞれに背負うものがあり、覚悟を持ってこの舞台にやってきた。
そして、それは我々ギャラリーの想像を絶するほどのものなのだろう。
特に、今回は安藤りなへの取材を通じて、それが痛いほどに感じられた。
これをお読みの方に、その一端でも届いてほしいと切に願う。
麻雀最強戦は、生身のプロたちが紡ぐドラマだ。
それぞれの思いをさらけ出して戦った4人のプロたちに、心から拍手を贈りたい。
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