この試合で、レギュラーシーズンが終了。
最終順位はこのようになった。7位BEAST、8位雷電、9位フェニックスは、今季ここで姿を消すこととなる。
麻雀は全員が勝てないゲームだ。
──誰かが笑っているその影で、誰かが悔しい思いをしている。
──渋川が大トップをとると、勝又はトップを取れない。
──優か勝又か、どちらか一人にしかMVPの栄光は訪れない。
──セミファイナルに進出するチームがあれば、レギュラーシーズンで敗退するチームが出る。
──喜びに溢れる人々もいれば、
悲しみに暮れる人々もいる。
「麻雀」は、「Mリーグ」は、その熱が広まって、膨大な人の感情を動かす競技へと発展した。
そして、ときにその思いは交錯する。
やはりみなが心をすり減らして見守るレギュラーシーズン最終盤は、SNSでもピリピリするような出来事が多かったように感じる。「最終盤だから」というのが原因として大きかったと私は思っている。
だからといって、自分の内なる気持ちを消し去れとは思わない。それは観戦していて、応援していて起こる自然な感情であるし、またそういう心の機微を味わうのがMリーグの醍醐味とも言えるからだ。
また、議論が起こること自体もいわば自然だろう。まだまだ麻雀業界は発展途上だからだ。色んな議題が持ち上がることで、麻雀界はより良くなっていくに違いない。Mリーグと雀荘、コア勢とライト勢、プロとアマチュア、これからみんなで考えないといけない課題は山ほどある。
そんな中で、
「勝者をたたえる」
「敗者に寄り添う」
ように、自分と反対側の気持ちの人を、みなそれぞれが今よりほんの少しだけでも慮ることが出来れば、もっとMリーグは、そして麻雀界は素敵な世界になると私は思う。
なぜなら、
みな「麻雀が好き」という熱情を抱いて、日々を生きているのだから。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite