4枚目のが河に放たれ、蒼木の国士無双の可能性が消えたのだ。
もしも国士無双一本の手格好であれば、ここで蒼木の態度がトーンダウンするはずなのだが…。
9p4見えから結構強気な打牌してたから何かしらの目が残ってる打ち方に見えたよ
降りるなら5sとか切らないしね— 魚谷侑未🐠 (@yuumi1102) September 15, 2024
視聴者からの指摘に対して魚谷がこう述べているように、蒼木が強く前に出ていることから別のオプションがあるのでは?という可能性が対局者目線では感じられたよう。
蒼木から役牌が切られる期待がさらに薄くなったのだが、とはいえ相川と魚谷はすでに呉越同舟の境遇。
道は引き返すことができない。
蒼木の強気な進行によって猶予が与えられた新榮が追いつく。
ソーズの仕掛けを入れている魚谷に対してドラを叩き切って勝負。
新榮としては身を捨てるような1牌だったが、これが魚谷に通った。
こうなると攻守逆転。
魔物が刃を向けるのは魚谷だ。
ご覧のとおり、が3枚見えていて、はワンチャンス。
魚谷が対局後に語っていたが、を離すタイミングはあったとのことだが、安全度を考えるとこのを手に残すのは咎められることではないはず。
しかし、このゲームには「正しければそれで良い」という明快さが薄く、むしろ正しそうな道の向こうに落とし穴が口を開けて待っているような難しさがあった。
そう、思い出して欲しい。
絶妙なターツ選択を見せた新榮が放銃を喫した。
単なる偶然なのかもしれないが、この際それはどちらでもいい。
魚谷にテンパイが入った。
何かを悟ったか、姿勢を正す魚谷。
そして。
放ったに、2人の運命を別つ声がかかる。
リーチ一発ドラの7,700点で新榮は魚谷を逆転。
このリードを持って逃げ切り、相川と新榮が決勝戦へと進んだ。
本命視されていた魚谷を破ったことは、相川そして新榮のキャリアにとってものすごく大きなことだろう。
内容についても今後の活躍に期待が持てるものだったはず。
そして、この結末を演出した蒼木にも惜しみない拍手を贈りたい。
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他の3人だってもちろんそうだろうが、魚谷はこの対局にかけるものが特に大きかったはずだ。
Mリーグから…というよりも、自分が大好きだったチームから別れることとなった今年。
冒頭にも書いたとおり、魚谷は失恋をしたような虚しさに苛まれた。
その話を札幌で聞いていて、麻雀プロは辛いものだなと私は思った。
本物の恋のように、悲劇のヒロインよろしく失恋の苦々しさに浸っていられたなら、どれだけ心が救われただろうか。
しかし、あの舞台へまた戻りたいと願うならば、このタイミングでタイトルを奪っておくのがMリーグに対する最高のアピール。
魚谷にできることは一つ。
悲しみに浸ることなく、今は前を向いて歩みを進めるしかないのだ。
麻雀プロとしての「悲恋」。
魚谷侑未がどんな形で乗り越えていくのか。
今後の姿に注目したい。