魔王は南場に目を覚ます――佐々木寿人、親番の決勝打【麻雀最強戦2025 最強夫婦決戦】観戦記【A卓】文:ヤマサンブラック

魔王は南場に目を覚ます――

佐々木寿人、親番の決勝打

【A卓】担当記者:ヤマサンブラック 2025年11月8日(土)

麻雀最強戦2025「最強夫婦決戦」、夫側であるA卓に出場するのはこちらの4名。

橘哲也(日本プロ麻雀協会)

Mリーガーである浅見真紀の夫、というイメージの橘だが、自団体ではA1リーグに所属する実力者である。

初出場となる麻雀最強戦で結果を残すことができるのか、注目だ。

渋川難波(日本プロ麻雀協会)

MリーグではKADOKAWAサクラナイツに所属する渋川は、2022年にファイナルに進出している。

魔神は再びファイナルに進むことができるのか?

猿川真寿(日本プロ麻雀連盟)

過去に6回のファイナル進出を果たしている猿川。

7回目のファイナル進出となるか、こちらも注目だ。

佐々木寿人(日本プロ麻雀連盟)

MリーグではKONAMI麻雀格闘倶楽部に所属する寿人。

昨年はファイナル決勝に進出するものの、惜しくも3着に敗れている。

今年は雪辱を果たすことができるのか?

 

Xによる事前の勝者予想では、寿人が52.8%という圧倒的な支持率を得た。

寿人は人気に応えることができるのか、それとも下馬評が覆るのか。

四組の夫婦のインタビューは、バツイチ独身の私には眩しかったが……ともあれ、対局開始!

 

――口火を切ったのは、猿川だ。

東1局東2局と続けてアガり、好スタートを決めていく。

東3局。ここが東場の山場となった。

北家の橘が、先制テンパイを果たす。

ここで待ちの選択だ。

【4ソウ】【7ソウ】ノベタン、カン【8ソウ】、さらには【9ソウ】単騎も考えられる。【4ソウ】【7ソウ】のノベタンを選ぶにせよ、手替わりを見ていったんダマテンにしたり、【9ソウ】単騎にしても【4ソウ】切りか【7ソウ】切りか、様々な選択肢がある。

橘の選択は、打【4ソウ】での【9ソウ】単騎リーチ。

打点を重視した強気な選択だ。ただ、【9ソウ】は猿川の手の内に2枚あり、残りは1枚である。

すぐさま親の渋川がリーチの宣言牌である【4ソウ】をチー、一発が消える。

【1ソウ】で、渋川も前に出る。

【發】をポン、加槓までしている渋川。親でアガる、という意志を強く感じる仕掛けだ。

1巡後、渋川が【7ソウ】をツモ切った。

ノベタンを選んでいれば橘の一発ツモだったが、まだこの局の行方はわからない。

橘のツモ切りが続く中、渋川もテンパイ。

待ちはカン【2ソウ】。こちらも残り1枚だ。

どちらがアガるのか。それとも、流局するのか。

ハイテイ直前で最後の【2ソウ】を猿川が吸収、渋川のアガリはなくなった。

そして橘のハイテイツモは……【9ソウ】だ!

裏ドラは乗らなかったが、リーチツモハイテイドラドラ、2000・4000のアガリで橘がトップに躍り出た。

 

南1局

東場はおとなしかったラス目の寿人だが、南場の親でぐんぐんと手が進み、8巡目に先制リーチを打つ。

【4マン】【7マン】待ちのリーチタンヤオ【4マン】【7マン】なら三色が付く。【7マン】は4枚とも他家の手の内にあり、高目の【4マン】だけが3枚残っている。

その【4マン】を、寿人は13巡目にツモった。

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