夫に託された夢を背に
石田亜沙己、決勝へ
【B卓】担当記者：喜多剛士 2025年11月8日（土）
麻雀最強戦のグループリーグも、いよいよ大詰め。
今週のテーマは『最強夫婦決戦』。 恒例の勝者予想では、浅見真紀が40.3％の支持を集めて堂々の１位。 やはりMリーガーとしての知名度と実績が、ファンの期待を集めた形だ。
しかし、予想はあくまで予想。ここから先は、卓上での実力がすべて。 他の３名が見せる奮起にこそ、真のドラマが待っている。
東１局
開局の親・浅見の配牌は、トイツ５組のチートイツのイーシャンテン。しかし、
・
と両面ターツも揃っており、面子手への移行も十分に見える構えの打
。ここからどのように手を整えていくかが注目したい。
一方の早川は、
を外してチャンタ・三色を見据える構え。筒子が伸びたり、
が重なればホンイツへの変化も見込める、打点を意識した柔軟な構想だ。
浅見は
を引き入れ、ピンフ・イーペーコーとチートイツの両天秤に構える。チートイツに有利な
を外し、面子手に目一杯構えたことで、チートイツよりも面子手を優先する形となった。
そして
を引いての面子が完成。面子手へと移行した浅見が、
を引き入れてテンパイ。待ちは
、高目イーペーコー。ここでリーチを宣言。
早川は
をチーして中バックのテンパイを入れるが、直後に浅見が高目のをツモ。リーチ・ツモ・ピンフ・イーペーコーの2600オール。浅見にとっては夫婦対決に向けて理想的な立ち上がりとなった。
リーチに対して一度は降りた早川だったが、細いルートをたどってテンパイを取った結果、その仕掛けが浅見のアガリを呼び込む形に。うまい打ち回しが仇となる。それもまた、麻雀の妙味である。
東１局１本場
石田の配牌は、
とのトイツに萬子２ブロック。遠くのホンイツを意識した構えで、じっくりと手を育てていく。
ホンイツに向かっていた石田だったが、
を引いて両面ターツができたことで流れが変わる。さらにドラそばの
を引き入れ、中を外して２３４の三色やピンフ・ドラ１を視野に入れる柔軟な手組へと移行する。
浅見が放ったにポンの声がかかるかと思いきや、石田はスルー。ここで鳴けば1000点が濃厚と見て嫌った判断だ。その直後にを引き入れ、と
の両面２ブロックと見立て、ホンイツの５ブロックが揃う形に。を外して、再びホンイツを強く見る構えに転じる。
の両面がすんなり埋まり、・のシャンポンリーチが打てれば１枚切れのでのアガリ率も高い。８巡目と中盤に差し掛かっていることもあり、を仕掛けて1000点のアガリも受け入れる構えで、を放ってホンイツとの天秤にかける選択を取る。
直前のもスルーして、
を引き入れたことで
の高目一通が見える形に。を仕掛けても高目で満貫が見える勝負手。打点を意識した素晴らしい打ち回しだ。
しかし、先制したのは親の浅見。くっつき候補の中では不本意ながらもを引き入れ、カンでリーチを宣言。
石田もすぐに追いつき、・のシャンポンでテンパイ。リーチ者の現物である東と、１枚切れの。掴めばすぐに出そうな牌だけにダマかと思われたが、石田はリーチを選択。一発勝負で勝負手をぶつけていく。２軒リーチであっても、とは十分に出やすいと判断したのだろう。
そして、石田がを力強く引き寄せる。リーチ・ツモ・・ホンイツの3000-6000。大きなアガリで、浅見とともに抜け出す展開となった。
４巡目のを鳴かず、三色や一通との天秤にかけながら打点を見据えた石田の選択。ひとつの考えに固執せず、常に状況に応じて柔軟に構えたことで、最高の打点を引き寄せた価値ある一局となった。
東２局
配牌でドラのがトイツだった早川に、さらにをツモってドラ３の勝負手が舞い込む。ここは何としてもアガりたい力の入る一局。
ここから
を払ってリャンシャンテン戻し。の受けが苦しいと見て、タンヤオも視野に入れながら
のくっつきを残す選択。テンパイまでの速度よりも、最終形に重きを置いた打ち回しからは、何としてもアガりたいという強い意思が伝わってくる。
次巡、
をツモ。ペンのテンパイを逃す形にはなったが、を切って・・のくっつきに構える。筒子の
、索子の
でテンパイとなる非常に広いイーシャンテン。
そして絶好のを引き入れ、の３面張でリーチを宣言。早川の目からが３枚見えており、が山に残っていそうな感触。ペンを嫌って、広く強い待ちにたどり着いた。
しかし、すぐさま浅見が
で追いつきリーチ。
両者のアガリ牌が脇に流れる中、浅見がをツモ。裏ドラも乗って、リーチ・ツモ・ピンフ・ドラ・裏の2000-4000。
早川にとっては、ドラ３の勝負手を愚形のテンパイを嫌って迂回し、最高の形に仕上げただけに悔しい一局。一方で、石田と浅見が高打点をツモって抜け出す展開となった。
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