家庭では円満に、そして─ 橘哲也と浅見真紀が見せてくれた、麻雀プロ夫婦・幸せの形【麻雀最強戦2025 最強夫婦決戦】観戦記【決勝卓】文:東川亮

家庭では円満に、そして─ 

橘哲也と浅見真紀が見せてくれた、

麻雀プロ夫婦・幸せの形

【決勝卓】担当記者:東川亮 2025年11月8日(土)

麻雀最強戦のプロ大会は、それぞれにテーマが設けられ、それを元に招待選手が決まる。テーマには「タイトルホルダー決戦」のような分かりやすいものから「美女と野獣」「卓上大乱闘」など一見よく分からないものもあるなか、今年の日程が発表されたときにひときわ目を引いたのが、今大会「最強夫婦決戦」だったのではないかと思う。

今回招待されたのは、8名というか4組。共に麻雀プロとして活躍し、実績や知名度に秀でた夫婦による対決だ。キャッチーかつ斬新、そしてメンバーの顔ぶれも豪華となれば、注目も集まろうというもの。

夫対決となったA卓、妻対決となったB卓を勝ち上がったのは、

A卓から佐々木寿人

言わずとしれたKONAMI麻雀格闘倶楽部の大エースは、ここでもしっかりと存在感を示す。

持ち前の打牌スピードは、麻雀クロックシステムでさらに際立ちそう。

B卓から石田亜沙己

麻雀最強戦は、プロキャリアの原点「最強戦ガール」を務めた場。夫の猿川真寿の分も、ここで勝ちたい。

 

そして残る二人は、おそらく大会側も期待した「夫婦対決」。

浅見真紀

赤坂ドリブンズで活躍する彼女も、麻雀プロ夫婦。今回は公式戦で初となる夫との対決を楽しみにしていたという。

橘哲也

おそらくは今回の組み合わせで唯一、妻のほうが知名度の高い夫婦。しかし、彼も日本プロ麻雀協会で2年連続雀王決定戦に残っている強豪である。

個性的な4名で行われた決勝は、まさに「最強夫婦対決」にふさわしい展開となった。

東1局

先制リーチの浅見に対し、ドラドラの橘がリャンメン待ちリーチで追いかける。

しかし、その5秒後に浅見がツモ。

打点は700-1300だがリーチ棒もおまけにゲット。橘に一回もツモらせなかった、というのがまたいい。

見たかったのはこのバチバチ感よ。

 

とまあ夫婦に注目したいところだが、もちろん麻雀は4人でやるゲームであり、相手は他にもいる。

東2局1本場は寿人と石田の2軒リーチとなり、そこに追いついた橘のテンパイ打牌は寿人への放銃。

リーチピンフ、そこに裏裏は満貫のなかでも特にうれしいやつのひとつ。これで寿人がトップ目に浮上。

東3局は石田が浅見の高打点リーチに競り勝つリーチツモピンフ裏、1300-2600のアガリ。

東4局は浅見が石田から3200の出アガリ。各者がいい感じにバチバチやりあいながら、試合はテンポよく南場へと突入する。

南1局

橘はマンズの多い手牌から、第1打【7ソウ】

現状4番手で対局も半分を消化、今後高打点が狙えるチャンスが来るかも分からないとすれば、ここで一度手役に振り切るのもひとつの手か。

2巡目に【發】をポン、ソーズのリャンメン外しでホンイツ一直線の構え。【4ピン】残しは、少しでも相手に色を絞らせないための工夫。

そんな橘の狙いにツモと展開が味方する。

【北】ポンからドラ【5マン】を引いて1シャンテン、

寿人から【8マン】が鳴けてテンパイ、高目12000、安目でも8000という大物手に。

そこに浅見もテンパイ。しかし出ていく【4マン】はマンズホンイツの橘に危険な牌。

「リーチ!」

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