
4巡目、ドラのを引く。
嬉しいような微妙なような難しいツモだが、本田の選択は

頭を無くしリャンメンを固定する打だった。
頭が無くなるため、一見スピードが落ちているように見えるが、他の孤立牌、例えば1sを打ったとしてもどちらもリャンシャンテンだ。
唯一のリャンメンを決め他の所で頭を作る一打だが、ドラ表示牌のを先に処理したいという意図もあるだろう。
を引けば当然打7pになるし、道中安全牌を抱えるタイミングでも打
になることが多いので、であれば先に処理しておこうという魂胆だ。
この選択が上手くいく。次巡、を引き頭ができる。

その後孤立していたに
がくっつき、最後は
テンパイを入れる。

本田と同様に、堂岐にも序盤に選択が訪れていた。

4巡目の堂岐の手牌。既にイーシャンテンだがを引いて選択を迫られる。
を引けば123の三色が見える手だが、
を引いたことで
を引くと345の三色を狙うことができる。堂岐の選択は…

打。ツモ切りだった。
堂岐は5,200点以上の手作りが求められるため、赤を使い切れる打
を選ぶ人も多そうだが、堂岐は打点も求めつつ、最終的な待ちの強さも考慮した選んだ。

先述の通り、日向・高宮は前に出てくることが予測されるため、堂岐がリーチをかけたとしても手が入っていれば粘ってくる可能性は高い。
そのため3巡目にが切れていれば、筋の
はもちろん
だって討ち取れる可能性がある。
本田、堂岐の選択は様々な要素を踏まえた上での決断だった訳だが、結果として最良の結果を生むことになる。
本田が打とした後
を引いた巡目、打
を選択するがこの
を親番の高宮がポンする。

愚形だらけの手だった高宮。親番を続けるためにも本田にスピードを合わせていく。
次巡、を引いた本田は打
を選択。
このを高宮がチー。


高宮の手は2つ鳴いてイーシャンテンだが、手にはカンが残っている。
もし本田がの処理を先延ばしにしていたら、高宮のチーが入り先にテンパイを入れていたのかもしれないのだ。
直後、日向からリーチが入る。

待ちのリーチドラ1。
アガれば高宮の次局満貫ツモ条件を消すことができる。しかもは山に5枚と大量に生きていた。
そして堂岐も4枚目のを引き入れテンパイする。

打のところでカン
固定の打
を選んでいると、その後高宮が
をポンしているのでテンパイすら難しい状況になっていただろう。

待ちの候補は・
待ちか赤
を使った
単騎。
が3枚切れており、
ならツモった時にテンパネして1,300-2,600点と目標にしていた打点をクリアすることができる。
自身の初戦、連対を目指し勝負リーチをかける!


苦しい待ちに見える単騎だが、なんと山に3枚残っていた。
2人のめくり合いに高宮も追いつく。

カンでテンパイ。不服な待ち・打点だが贅沢は言ってられない。現物になったドラの
を切ってテンパイを取る。
その2巡後、2人に通っていないを引いて手が止まる。


と
が2人とも通っているので、テンパイを維持するためには
か
の筋どちらかを勝負しなければならない。
自身の手の待ち・打点ともに価値が低く、仮に流局したとしても日向との点差は12,500点差で供託が2本あるため満貫ツモ条件が残る。
高宮はオリの暗刻落としを選択。

その直後、日向から切られたを高宮がポン。

これでにくっつけば、どちらも切らずにテンパイ復活することができる。苦しい状況だが、復活のルートを決して見逃さない。
しかし、直後に決着は訪れた。

