セガサミーフェニックスを進化させる剛腕、その男の名は浅井堂岐【Mリーグ2024-25観戦記9/23】担当記者 #江崎しんのすけ

4巡目、ドラの【8ピン】を引く。
嬉しいような微妙なような難しいツモだが、本田の選択は

頭を無くしリャンメンを固定する打【7ピン】だった。

頭が無くなるため、一見スピードが落ちているように見えるが、他の孤立牌、例えば1sを打ったとしてもどちらもリャンシャンテンだ。

唯一のリャンメンを決め他の所で頭を作る一打だが、ドラ表示牌の【7ピン】を先に処理したいという意図もあるだろう。
【6ピン】【9ピン】を引けば当然打7pになるし、道中安全牌を抱えるタイミングでも打【7ピン】になることが多いので、であれば先に処理しておこうという魂胆だ。

この選択が上手くいく。次巡、【2ピン】を引き頭ができる。

その後孤立していた【6マン】【5マン】がくっつき、最後は【4マン】【7マン】テンパイを入れる。

本田と同様に、堂岐にも序盤に選択が訪れていた。

4巡目の堂岐の手牌。既にイーシャンテンだが【5ソウ】を引いて選択を迫られる。

【1マン】を引けば123の三色が見える手だが、【5ソウ】を引いたことで【5マン】【8マン】を引くと345の三色を狙うことができる。堂岐の選択は…

【5ソウ】。ツモ切りだった。

堂岐は5,200点以上の手作りが求められるため、赤【赤5ピン】を使い切れる打【1ピン】を選ぶ人も多そうだが、堂岐は打点も求めつつ、最終的な待ちの強さも考慮した選んだ。

先述の通り、日向・高宮は前に出てくることが予測されるため、堂岐がリーチをかけたとしても手が入っていれば粘ってくる可能性は高い。

そのため3巡目に【5ソウ】が切れていれば、筋の【2ソウ】はもちろん【3ソウ】だって討ち取れる可能性がある。

本田、堂岐の選択は様々な要素を踏まえた上での決断だった訳だが、結果として最良の結果を生むことになる。

本田が打【7ピン】とした後【2ピン】を引いた巡目、打【4ピン】を選択するがこの【4ピン】を親番の高宮がポンする。

愚形だらけの手だった高宮。親番を続けるためにも本田にスピードを合わせていく。

次巡、【5マン】を引いた本田は打【5ソウ】を選択。
この【5ソウ】を高宮がチー。

高宮の手は2つ鳴いてイーシャンテンだが、手にはカン【7ピン】が残っている。
もし本田が【7ピン】の処理を先延ばしにしていたら、高宮のチーが入り先にテンパイを入れていたのかもしれないのだ。

直後、日向からリーチが入る。

【4マン】【7マン】待ちのリーチドラ1。
アガれば高宮の次局満貫ツモ条件を消すことができる。しかも【4マン】【7マン】は山に5枚と大量に生きていた。

そして堂岐も4枚目の【2ピン】を引き入れテンパイする。

【5ソウ】のところでカン【4ピン】固定の打【1ピン】を選んでいると、その後高宮が【4ピン】をポンしているのでテンパイすら難しい状況になっていただろう。

待ちの候補は【2ソウ】【3ソウ】待ちか赤【赤5ピン】を使った【5ピン】単騎。【2ソウ】が3枚切れており、【5ピン】ならツモった時にテンパネして1,300-2,600点と目標にしていた打点をクリアすることができる。

自身の初戦、連対を目指し勝負リーチをかける!

苦しい待ちに見える【5ピン】単騎だが、なんと山に3枚残っていた。

2人のめくり合いに高宮も追いつく。

カン【5マン】でテンパイ。不服な待ち・打点だが贅沢は言ってられない。現物になったドラの【8ピン】を切ってテンパイを取る。

その2巡後、2人に通っていない【4マン】を引いて手が止まる。

【1マン】【3マン】が2人とも通っているので、テンパイを維持するためには【4マン】【7マン】【6マン】【9マン】の筋どちらかを勝負しなければならない。

自身の手の待ち・打点ともに価値が低く、仮に流局したとしても日向との点差は12,500点差で供託が2本あるため満貫ツモ条件が残る。

高宮はオリの【6ピン】暗刻落としを選択。

その直後、日向から切られた【2マン】を高宮がポン。

これで【6マン】にくっつけば、どちらも切らずにテンパイ復活することができる。苦しい状況だが、復活のルートを決して見逃さない。

しかし、直後に決着は訪れた。

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