渋川、仲林を追いかけるためにこれを叩いて…
否!
渋川、この手格好から動かず!
多井の仕掛けが単なるラス回避に止まらない可能性を察知して、多井を抑え込むために受けに回ったのだ。
多井は自力で
を暗刻にして打
のイーシャンテン。
ここからの渋川の打ちまわしがすごい。
をツモって、
多井の現物である
切り。さらに、
こちらも切れば多井に叩かれる
を手にしまって打
。
そして、トップ目の仲林。多井が切った
を叩いて![]()
のチーテン。
渋川以外の選手には多少高い点数を放銃してもトップをキープできることから、ここは前に出てゲームセット狙い。
ただ、
多井がここまで高い点数だったのは少しだけ痛かったかもしれない。
テンパイから
を押すと待っていたのは多井の12,000。
12,000点の収入+2着順アップは52,000点相当のアガり。
普段なら喜んでしかるべきなのだが、
「すいません。」
選手に対して一言、件のチョンボのことを詫びた多井。
どれだけ加点したとしても、拭い切ることができない味の悪さは、終生忘れえぬものとなったかもしれない。
ベテラン多井に起こったチョンボと、随所に光るプレーを繰り出すも報われなかった渋川。
今夜の第2試合は、改めて麻雀の難しさが際立って感じられたものだった。

北海道在住のアマチュア雀士。 7歳で父から麻雀を習い、土田浩翔プロ、喜多清貴プロを師と仰ぐ。 2020年北海道最強位。
\近代麻雀シリーズ 新刊情報/















