報われなかった渋川難波の慧眼…そして、多井隆晴の身に何が起こったのか?【Mリーグ2024-25観戦記 9/27】担当記者 千嶋辰治

オタ風の【東】を叩いてホンイツのイーシャンテン。
ラス親が残っているとは言え、仲林によるこれ以上の連荘は看過できない。

首尾よく【發】をツモって5,200のテンパイを入れた。

このタイミングで前に出てきたのが亜樹。

広いイーシャンテンに渋川のアガリ牌である【7ソウ】を引き入れてリーチ。
うまく放銃を回避した格好。失点を挽回できるか?

と、2人テンパイで場が沸騰したところへ「お待たせしました」と仲林。

 

多井から打たれた【7ピン】をチーして12,000のテンパイ。

風雲急を告げる勝負どころ。

仲林のアガリ牌を掴んでしまったのは渋川。

自らも勝負の手格好。
しかし、リーチの亜樹にも【6マン】は通っていない。
渋川は河を眺めて長考に沈むが、出した結論は…

【發】の暗刻落としで徹底ディフェンス。
親番があるから、自分が勝負手であるから… 様々な理由から【6マン】を打ち抜くことなく、渋川は耐えた。

終盤までもつれた今局、亜樹が先ほどまで渋川のアガリ牌だった【7ソウ】を河に置くと、渋川の手が止まった。

この【7ソウ】をチー。

3枚目の【發】を河に並べてイーシャンテンに。
アガれないまでも、せめてテンパイに向かう動き。
できることはやってみよう、ということだろうか。

そしてこの仕掛けで、

亜樹のアガり牌である【2マン】をも吸収!
渋川の仕事ぶりが光る。

が。

その仕事が実を結ばないのも麻雀の面白いところ。
亜樹が最後のツモで【5マン】を引きアガり2,000-4,000と1本場のツモアガり。
渋川的には流局で2人テンパイの支払いより600点多い支出となったが、仲林の親が落ち、さらに親被りで点差が縮まったことは次善の策として歓迎すべきだろうか。

南3局は多井の1人テンパイで流局。

迎えたオーラス。

仲林が抜けたトップ目になっていて、注目は2着争い。
ラス目の多井も満貫ツモで渋川をかわして2着になることができるため、ここは全員が前に出てくる点数状況。

その多井の手牌。

ドラの【2マン】がトイツ、さらに【赤5ピン】が両面ターツで入った。
仕掛けの材料となる【白】もトイツで送り込まれてここは勝負気配。

先ほども書いたが、1着順の順位点差は20ポイント。
自らのエラーで減算されることが決まっている20ポイントのペナルティを軽減させるためにも、ここは一つでも着順を上げておきたい。

多井はさらにW【南】もトイツにして材料が豊富になっていく。
そして、

ゲームを終わらせたい仲林から出た【南】をポンして打【9ソウ】

さらに仲林が【發】を切り出す。

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