今、私にできることをひたむきに 日向藍子の驚愕フリテン残し手順【Mリーグ2020ファイナル観戦記5／11】担当記者：ZERO

今、私にできることを

ひたむきに

日向藍子の驚愕

フリテン残し手順

文・ZERO【火曜担当ライター】2021年5月11日

急転直下とはこのことか。

今週始まったファイナル開始時点でのポイントはこうだった。↓

ファイナルにしてはややポイント差が開いている。

しかし初日の２試合で４位の風林火山が連勝し、首位のABEMASが失速したことで話は変わってきた。↓

上位がかなり拮抗してきたのだ。
すべてが直接対決となるファイナルにおいてはどのチームが優勝してもおかしくないポイント差である。

この半荘はそれぞれが抜け出すことを防いでいるようなジリジリとした展開になった。

東場での流局数は４。

亜樹は攻めあぐねていた。

東１局１本場

親番を迎えた亜樹は、をツモってきた。↓

前巡の打が裏目になった格好だ。

あそこでなりなりを切って柔らかく構えておけば、この重なりで手は良くなった。むしろ亜樹は柔らかく構えそうな打ち手であり、打は直線的・現代的な選択と言える。

亜樹が良かったのは裏目ったをツモ切らず、を切ったことだ。

一見不格好に見えるが、ピンズ部分はをツモればやり直しがきく。

裏目の後での冷静な対処。

こうして

先制リーチの沢崎から一発で打ち取り、7700のアガリになった。

滝沢・勝又に続き、風林火山の３連勝で幕を開けるのか。

しかし後に亜樹は「このアガリで気持ちが守りに入ってしまった」と語る。

南２局

亜樹の手が止まる。

かなり良い手だ。

亜樹はここから慎重にを切った。

決して守りに入ったわけではないだろう。

ツモでの単騎リーチを強く見た選択だ。

 

ツモでのカンリーチ、ツモでのピンフダマを逃してしまうが、これは亜樹らしい選択とも言える。

もったいなく感じたのは

ここからを切ったことだ。

亜樹としてはがよく見えたことと、単騎リーチを逃したくない気持ちが強かったのだとは思う。

しかしは重なった時にピンフがつくだけでなく、ツモでの二次変化、ツモときた際のイッツー仕掛けなどを考えると、あまりにロスが大きい。

その後に捨て牌に並んでしまった

やといった牌や、相手から打ち出されたを、亜樹はどういう思いで見つめていただろうか。

この局にアガリを逃して以降、亜樹に出番が回ってくることはなかった。

沢崎は慌てていなかった。

東４局５本場

一方で亜樹に7700放銃した沢崎はどうだったか。

をポンした親番の沢崎は、ここからを切った。↓

ほとんどの打ち手がを切るのではないだろうか。

イーシャンテンでのロスを許してまでを残す価値があるのか。

ましてや供託と積み棒がわんさかとたまっている場面だ。

沢崎の意図はこうだ。

この場面で親が仕掛ければ、上家の日向が絞ってくることは目に見えている。

のチーには期待できないが、を河に置いておくことでが打たれるケースは増えるだろう。

の出現率を高めつつ…

よりツモアガリしやすい形への変化も逃さない！

こうして沢崎はとマンズを払っていくことになった。

なお、このをツモ切ると…