好配牌に加えたひと手間…手順マエストロ・内川幸太郎の好機を逃さない技術【熱論!Mリーグ】担当記者:山﨑和也

熱論!Mリーグ【Mon】

好配牌に加えたひと手間…

手順マエストロ・内川幸太郎

の好機を逃さない技術

文・山﨑和也【月曜担当ライター】2020年1月20日

高野「編集長って時々変なギャグ言うじゃないですか。両取りヘップバーンだとか、同飛車大学だとか」

勝又「将棋の世界じゃ有名だよ。某棋士がよく解説とかで言っているよね」

高野「最近レパートリーが増えてきてまして。地震雷火事親リーだとか、チャンタクロースだとか」

勝又「・・・・・・」

今回は2戦目の模様をお送りする。1戦目はサクラナイツ沢崎誠が貫禄の勝利。首位フェニックスの背中を追う。

2戦目

東家 松本吉弘渋谷ABEMAS

南家 勝又健志EX風林火山

西家 萩原聖人TEAM雷電

北家 内川幸太郎サクラナイツ

2戦目の登板は内川。ここ最近は沢崎を連投した日の成績が1着、4着と続いていたので、そういった悪い流れを回避するのもあっただろうか。沢崎が作ったいい波を崩さずにキープできるか。

東2局2本場から。今回も筆者の印象に残ったシーンを書いていきたい。

まず抜け出したのは松本。親の満貫をツモって幸先よくリードを奪い、以降は大きな点数の変動はなく進んでいる。

親の勝又がダブを鳴いて打でテンパイ。5800の手を作って周りにプレッシャーをかけた。途中にドラのの手出しも見せ、圧をかける。

3人が引いている様子だったのを見て、内川から出たを力強くカン。嶺上牌にあるのではという読みもあったかもしれない。まだ残っているを探索していく。

実はこっそりテンパイを入れていた松本。ここまで字牌や筋などで対応しているような感じだったが、を持ってきて手を止めた。これはが3枚見えているなどで通りやすそうだが、ほんの少し強い牌である。

ダマテン続行で勝負。勝又とのめくり合いの勝負に持ち込んだ。ん?めくり合い?

筆者の中で、何かがフラッシュバックされていく。

そういえば2週間前も松本について書いた気がする。リーチ対決でとことん負けて、つらい思いをしていたような気が。筆者は理解した。松本は相手の当たり牌をよく掴んでしまうのだ。これは発見だ。アルキメデスもこんな気分だったに違いない。

ほら見たことか!勝又の欲しいがよりによって最後のツモで来てしまった。

幸いだったのはリーチをかけていなかったことだ。自身がトップ目なので無理をする場面ではない。

回避!を手中に収め、を切ってテンパイを崩した。今日の松本は不運なんかじゃないぞ。掴んでも出さない。

結果は勝又の一人テンパイとなったが、松本にとっては1000点棒を渡すついでに「オッケーです」と握手までしたくなる心境だっただろう。これは松本がトップを取る流れと見た。

続く東2局3本場。ここだった。内川の手を見ていただきたい。相当まとまっている上に打点も高いのだ。第一打がだったのだが、これをすっとツモ切ったのもアヤを生じさせた。

内川といえば「手順マエストロ」の異名を持つ。今回はどっちかというと配牌マエストロの感もあったが、こう進んでみると第一打のが効いている。

最終形がこちら。なんと待ちとなった。これはかなり凶悪な待ちで、がいらないように見えることから、いかにもが通るように思えるのだ。なんだか変則手にも見えるので字牌も切りづらい。

リーチを受けた松本。あまり迷った様子はないように見えた。

ああっ。松本の手から一発でが出てしまった。それだけは盲点の待ちであった。

しかし12000の失点はあまりにも大きかった。筆者なら悲鳴を上げていたかもしれない。

これで内川がトップに立つ。うーん、まだ松本にいい風が吹かないのかもしれない。勝負の分かれ目は一瞬で訪れる。

東3局。内川は加点を狙う。こういった終盤に差し掛かった高打点の手牌で何を切るか。筆者だとわからないからとりあえずを切ってしまうのだが、それでは他家に鳴かれてしまい、せっかくのドラ3が無駄になるかもしれない。テンパイまでも遠いので、守備に不安を抱えるのもよくない。

まずはを切っての両面を固定させる。

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