「最強戦の魔物」は存在する
〜原えりかが対峙したもの
【A卓】担当記者:千嶋辰治 2024年11月17日(日)
ほんとに、酷い負け方して終わってしまいました。人生終わりです。
最初の3.6sの聴牌わかってませんでした。
分かっていないぐらい頭が真っ白でした。
みんなが出たい最強戦に出してもらったのに、こんな酷い失敗をしてしまい、本当に申し訳ないです。 https://t.co/Tfi9WE4oA4— 原えりか (@hara_erika_) November 17, 2024
「人生終わり」
失意の中でようやく振り絞った一言があまりにも切ない。
確かに、麻雀最強戦はプロのみならず全国のアマチュアも出演を夢見る大舞台だ。
それだけに注目度は高いし、ここでの活躍が次の仕事や対局の舞台につながっていくケースは数えきれない。
しかし、負けたからといってこれで何かが終わることなど全くないと私は思うが、この辺りの話については黒木真生プロがすぐに
「原えりかの人生は終わったのか」
みたいなnoteをお書きになると思うのでそちらに譲りたい。
それよりも、私が注目したのは次の一文だ。
「みんなが出たい最強戦に出してもらったのに」
ここに原が抱えていたものの大きさが垣間見える。
弱冠22歳の彼女の身に何が起こったのか振り返っておきたい。
A卓戦
東家:原えりか(日本プロ麻雀連盟)
南家:ももたん(2022、2023アマチュア最強位)
西家:朝倉康心(最高位戦日本プロ麻雀協会)
北家:沢崎誠(日本プロ麻雀連盟)
東1局。
開局の配牌を取る原だったが、
12枚の牌を手元に置いたところで、いわゆるチョンチョンを1枚だけしか持ってこなかった。
普段は当たり前にできることができないのは極度の緊張によるものだろう。
この時点で心に余裕がなくなっていたのかも知れないことが伺い知れる。
沢崎と共に2人テンパイで親権を維持した原。
続く東1局1本場。
サイコロの目は7。
対面の山に手を伸ばす原だったが、人差し指で牌山を数えている。
万全を期すための動作なのだろうが、
3月の女流新スター決戦に登場した際の原はこのような仕草で開門していなかった。
これらのことだけで決めつけるのは早計かも知れないが、いずれにせよ平常心で卓に着くことができないでいるように見える。
そして、ポストに書かれていた場面がやってくる。
沢崎がご覧の手格好からドラのを切り出し、
それをももたんが叩く(鳴く)。
この動きで、
原には絶好のが流れ込み、
この形でテンパイ一番乗り。
多くの方がを切ってリーチとする局面だろうが、