道は、必ず続いている。〜魔王佐々木寿人の業火と山部正人の夢物語　麻雀最強戦2024【ファイナル1st Stage】観戦記【B卓】文 千嶋辰治

阿久津が意地のテンパイ。ツモれば逆転の一気通貫リーチを放った。

リーチ宣言牌のに目を落とす山部。

先ほどは仕掛けを入れないことで大介の大物手を防いだ山部だったが、ここは勝負の一手。

をチーしてカンからへ渡った。

このゲーム、山部は本当によく耐えたし、押すべきところと受けるべきところを見誤らなかった。
粘り強く戦った山部に、牌が微笑む。

このチーで山部から大介に送り込んだのは。
そして、これは大介のテンパイを呼び、

大介の手からを引き出した！

Mリーガー、さらに連盟の若手注目株である阿久津を向こうに堂々たる立ち回り。
尊敬する佐々木寿人と共に、翌日の2ndステージへ歩みを進めた。

ここまでの山部の戦いを観て改めて思うことがある。

麻雀最強位への道は本当に険しい。
特にアマチュアからその座を射止めようとすれば、そのルートの道の険しさは筆舌に尽くし難いものがある。
しかし、険しいながらその道は本当に楽しいのだ。

たくさんの打ち手との出会い。
普段の麻雀では経験できない緊張感。
勝ち上がった時の嬉しさ。また、負けた時の絶望感。
どれも麻雀最強戦でなければ味わえないものと私は思う。

最強位を目指す腕に覚えのある方はもちろん、そうでない方もお祭り感覚で店舗予選へ参加していただきたいなと思う。
それを経験してから麻雀最強戦をご覧になれば、もっと対局を楽しんでいただけるはずだ。

数千人の中から勝ち上がるなんて、夢のまた夢じゃないかって？
確かにそれはそうかもしれない。
でも、麻雀最強戦への熱い思いがあれば、きっと現実になる。
山部は今日それを証明してくれるはずだ。

山部正人は私たちアマチュアの代表選手。
その打ち様を、最後まで見届けたい。